日産ゴーン社長「現在の業績は会社の実力を十分反映していない」

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日産自動車 カルロス・ゴーン 社長
  • 日産自動車 カルロス・ゴーン 社長
  • 日産自動車 株主総会後の株主懇親会
  • 日産自動車株主総会に出席する株主
  • 日産自動車 株主総会後の株主懇親会
  • 日産自動車 株主総会後の株主懇親会

日産自動車は6月24日、横浜市内で定時株主総会を開いた。カルロス・ゴーン社長は「現在の業績は会社の実力を十分反映しているとはいえない」と述べ、2016年度に売上高営業利益率8%の目標達成に改めて強い意欲を示した。

ゴーン社長は「日産自動車が正しい方向に向かっていることは明らか。私が初めて(日産の)株主総会に出席してから15年の間に販売は倍増した。赤字経営から堅実に利益を上げ続ける企業に成長した。あらゆる主要市場でプレゼンスを拡大し、将来有望な市場に参入するための道筋を整えてきた」と強調。

さらに「2013年度は、当初想定していたほどの速さではなかったものの、進歩を遂げた1年だった。過去最高のグローバル販売台数を達成し、複数の戦略的なパートナーシップを深めた。日本を始め世界中で工場、商品、技術に多額の投資を行った。同時に財務的にも健全性を維持している。その結果、自動車事業のネットキャッシュは過去最高の水準に達した」と振り返った。

また「今年度はこれまでの成果をさらに発展させ、6か年計画の“日産パワー88”の目標に向けて取り組みを続けていく。日産パワー88は折り返し地点を迎えている。前半の3年間で販売台数は100万台伸びた。日産パワー88の後半ではそれを上回る伸びを見込んでいる。包括的かつ積極的な戦略で2016年度までに売上高営業利益率8%を達成する。台数増に加え、利益率の向上に集中していくが、最も重視しているのは実力を100%発揮すること」と指摘。

その上で「当社は健全な財務基盤を実現しているものの、現在の業績は会社の実力を十分反映しているとはいえない。日産には業界をリードする商品と技術が揃っている。また競合他社に挑むために必要な経営資源、人材、経営体制は整っている。日産パワー88は正しい経営計画であり、2014年度の取り組みを支えるベースである」と述べた。

総会には前年度より238人多い1617人の株主が出席し、期末配当を1株当たり15円とすることなど3つの議案を承認、1時間49分(前年度は2時間7分)で終了した。

《小松哲也》

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