産地の代表は中南米
コーヒーの産地といってすぐ頭に浮かぶのが、コロンビア、ブラジル、グアテマラなど、中南米の国々ではないだろうか。だが、スイスに本拠を置く団体「カフェ・アフリカ・インターナショナル」(Cafe Africa International)の幹部が、今後10年内でアフリカが世界最大のコーヒー産地になるとの見通しを示した。
2日付ブラジルメディアが伝えた。カフェ・アフリカの最高責任者(CEO)、ジョン・シュリューター氏が、カメルーンの首都ヤウンデで行われたイベントで「アフリカが世界市場において最大のコーヒー供給者になると私は理解している」と述べた。
25か国、4000万人以上が生産に従事
カフェ・アフリカは、世界のコーヒー需要増加への対応と、アフリカ各国の貧困解消を目指して2006年に設立された。同団体によると、アフリカでは25か国がコーヒーを生産しており、4000万人以上が生産に従事しているという。
カフェ・アフリカのサポートの下でアフリカ各国はコーヒー生産に力を入れており、カメルーンではコーヒー生産が落ち込んだ場合、損失分を取り戻すための優遇制度を生産者らに提供。コーヒー畑を長く持たせるための近代的な方法や助成金、生産性の高い苗木を提供するなどしている。
2年ほど前のデータになるが、米農務省(USDA)が2012年6月に発表した資料によると、コーヒーの生産国はブラジルを筆頭に、ベトナム、インドネシア、コロンビアと南米、アジアが上位を占め、5位にアフリカのエチオピアが登場する。
ちなみに、コーヒー消費国はEU(27か国)、アメリカ、ブラジルと続き、日本が4位。以下ロシア、カナダ、エチオピアと、エチオピアが生産地であるとともに消費地でもあることが分かる。
とはいえ、エチオピアの世界全体の生産量に占めるシェアは7~10%程度で、量は約630万袋(1袋60キロ)。これに対し、全世界のコーヒー生産量の約3分の1を占めるブラジルは5000万袋もの生産量がある。
また、2012~13年シーズンのカメルーンのコーヒー豆(ロブスタ種)収穫量は前のシーズンの半分以下、56%減の1万6175トンに落ち込むなど、安定的な生産が行われているとはいいがたい。このため、シュリューター氏の見方は少々楽観的すぎるとの声もある。