【メルセデスベンツ G63 AMG 6×6 試乗】通れない道はない!?どんな道もアトラクション化

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メルセデスベンツ・G 63 AMG 6x6
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先日、メルセデスベンツ 『G63 AMG 6×6』の試乗会が栃木県の採石場跡地に設置された特設コースで行われた。コースは、45度の坂(崖)の登り降り、40度以上のサイドスロープ、岩場、水深1mの池など6×6のオフロード性能ならではの悪路ばかりだ。

ドライバーはこのようなイベントなどでデモやインストラクターを務めるエキスパート、アーヴィン・ウォーニッシ氏だ。さっそく同乗試乗をさせてもらう。が、まず、車高が高いため乗り降りも大変だ。試乗会では踏み台が用意されていたが、女性などは踏み台なしでは厳しいかもしれない。

しかし、いざ座席に座ると、そのアウトスタンディングなオフロード性能を感じさせないラグジュアリー感満載の車内だった。シートはdesignoという革製で、ベンチレータ機能とウォーマー機能が搭載されている。もちろん全席電動パワーシートだ。後席は3座ではなく分離式の2座で非常にリラックスできる。しかもそれぞれにディスプレイがついたリアエンタテインメント対応だ。インテリアは『Gクラス』並みというのはそれほど誇張ではない。

コースはすべて未舗装のダートなのだが、全長約6m、全幅約2.2m、トレッド約2.1m、ホイールベース約4.2m(最後輪まで)という大きなボディと外径37インチのタイヤのおかげで路面の凹凸はよほどでなければ拾わない。

さっそく45度の坂と対面する。坂というが見た目は崖にしか見えない場所だ。デモ用に設置されたものとはいえ、装備なしでは人間でも登れないような崖だ。6×6のアプローチアングルは50度。侵入はゆっくりだが前輪がかかったところでアクセルオンで一気に駆け上がる。あっという間に45度の坂をクリアしたが、その斜面でほとんど縦になったような感覚がタイヤの接地とトラクションを感じられる。

続いて崖の上に設置された、小さく山になったところを片輪だけ乗り上げてのサイドスロープでの走行。傾斜角度は40度以上とのことで、助手席のサイドウィンドから見えるのは地面だけの状態だ。ここで気が付いたのだが、ベルトとシートのホールド性が思ったより良い。ベルトは普通の3点式だが無理な角度になっても足をつっぱる必要はなく、正面やドアにあるグリップを使えば普通に体をホールドできる。傾斜した状態で撮影のため停止したりしたのだが、その間もシートに身を任せられる状態だった。

この崖の上にはもう1か所45度クラスの坂があり、そこのアップダウンをこなした後、最初の45度の坂を下る。下りも一気だが、フロントガラスから見えるのは下の地面だけでまっすぐ落ちているようにしか見えない。着地したときなぜフロントがつぶれないのか不思議なくらいだった。何度か繰り返すと、オフロードや45度の坂というのはこんなに簡単に走れるものかと危険な錯覚に陥る。

続いて草原の広場に出て悪路の高速走行や8の字による旋回性能のテストをする。このコースは全面に雑草が生え、路面も決して平坦ではない。しかし6×6にとっては「舗装路」のようなものかもしれない。路面のアップダウンはあまり感じない。旋廻も至って安定している。後ろ4輪による駆動力は旋回時にはむしろ邪魔になりプッシングアンダーがすごいのではないかと思ったが、前輪が若干のスリップアングルをだしながらもデフ制御のおかげでうまく旋廻していく。

6×6には5つのデファレンシャルギアが搭載されており、運転席からは3つのボタンで制御できるようになっている。ボタンはフロント、センター、リアのデフに対応しており、フリー、パーシャル、フルロックの3段切り替えができる。リアには各アクスルに2つ、2つの後輪の間のジョイントに1つの合計3つのデフがあり、リアのボタンはこれらをまとめて制御する。ロック制御は任意できるわけではなく、センターデフ、リアデフ、フロントデフの順でロックされるそうだ。今回のコースではセンターデフはほとんどフルロックの状態で、シーンによってリアデフをパーシャル、フルロックと切り替えていた。走破性やトラクションは格段に上がるが、操作性に影響の大きいフロントデフはフリーが基本のようだ。

最後は水深1mの池を走行する。採石場のくぼ地に自然にできた池のようだが、もうここまで来ると車に対して妙な安心感が生まれ、普通にこなしてくれるものと信じている自分がいる。実際、水がないかのように池の中を走行し、反対側のへりを登っていった。もはやテーマパークのアトラクション状態である。

ところで、オフロード車の渡河といったら吸排気の位置が重要となる。ラリーレイドなどではインテークパイプを延長してピラーに沿わせてルーフまでもっていくことがあるが、6×6は、ボンネット横、両サイドに設けられている。ロードクリアランスが460mmもあるので、インテークの位置ですでに1mくらいになっている。排気は前輪と後輪の間のフロアから横出しなのだが、走行中であれば水没しても問題ないという。停止してもエンジンがかかっていれば、停止しても長時間、深刻な問題でなければ大丈夫だそうだ。

また、この深さになると水圧や水の抵抗が格段に違う。インテークが水没しなければ問題ないというわけではない。また、実際の渡河は、深さだけでなく、水流、川底の状態、対岸の出口など入念に調べないと危険極まりない。試乗コースはこれらが確認済みだから走破できるのだが、それでも6×6のオフロード性能は尋常ではないといっていいだろう。
《中尾真二》

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