ジョセフ・エントゥル・ブラウン首相府相が「民族」を記入する項目を段階的に廃止すると発表したが、ナジブ・ラザク首相は同首相府相の発言を否定、廃止する意向はないと明らかにした。
既得権益が失われるとのマレー団体の反発を考慮したものとみられる。ザ・スターが報じた。
ナジブ首相は廃止について協議を行ったことは認めたが、その結果、最終的に廃止しないことを決定したと言明。民族を記入するのは民族同士の差を作るのが目的ではなく、どの民族にも平等に支援するために必要であるとし、民族ごとの統計やデータをもとに、支援が平等に渡っているかどうか管理するためにも必要であるとの見解を述べた。
エントゥル首相府相は、発表により混乱を招いたことを謝罪。メディアにより報じられた内容は、自らの発言が反映されたものではなかったと弁明した。メディアはエントゥル首相府相の話として、薬剤師などの政府機関ポストや首相府職員の応募書類から応募者の民族記入欄が廃止されたと報じた。また就職申込書類だけでなく、低所得者向け奨学金の申込書類からも民族記入欄がなくなり、公的な申請書類などから順次、民族記入欄をなくしていくと報じていた。