日本ガイシは、欧州での排ガス浄化用セラミックスの需要拡大に対応するため、ポーランドの製造子会社NGKセラミックスポーランドのコージェライト製自動車排ガス浄化用セラミックスの生産能力を増強すると発表した。
製造設備を増強してディーゼル車排ガス浄化触媒担体「大型ハニセラム」を増産するのに加え、ディーゼル微粒子除去装置(DPF)を生産する。また、同社として初となる直噴ガソリン車用のPM(粒子状物質)除去フィルター「ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)」の量産も開始する計画。
NGKセラミックスポーランドは、炭化ケイ素(SiC)製DPFの生産拠点として2003年に設立、2014年1月にはコージェライト製大型ハニセラムの工場を新設して生産している。
今回の設備投資では、既存の大型ハニセラム生産棟に隣接する現有敷地内に新棟を建設し、コージェライト製品の生産能力を現在の年間800万個(ハニセラム換算)から1500万個に2倍近くに増強する。生産開始は2016年1月で、投資額は約9500万ユーロ。
増設する設備で新たに生産するGPFは、直噴ガソリンエンジンから排出されるPMを除去するセラミックフィルターで、DPFの技術をベースに開発を進めてきた。2014年9月から欧州で施行される排ガス規制「ユーロ6」では、ディーゼル車に加えガソリン車でもPMの排出個数規制が適用されるため、通常のガソリンエンジンよりも、PMの排出量が多い直噴ガソリン車には、PMを除去するフィルターが必要になる。
今後、欧州でのGPFの需要拡大が見込まれるため、NGKセラミックスポーランドで初めて量産することを決定した。