43周、約250kmの決勝は曇り空のもと、ドライコンディションで実施された。スタートではTOM’S同士のフロントロー対決を制し、中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/エンジンはトヨタ)がポール発進のアンドレ・ロッテラー(#36)に先行。彼らと並ぶ優勝候補ながら予選で7位に沈んでいたデュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は、決勝日に向けてのセットアップ見直しが奏功、手応えを得ての決勝臨戦で、1周目に6位、4周目に5位へとポジションを上げていく。
レースのカギを握ったのは、15周目に6位を走っていたナレイン・カーティケヤン(#20 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)が逆バンクでスピン、コース中央にストップしたアクシデントだった。コースマーシャルの迅速な作業によってマシン撤去は比較的早く進み、セーフティカー(SC)導入にはならないか…と思われたところで、結局SCが出る。このタイミングでのSCは、1回は必要とされる給油(&タイヤ交換)のためのピットインを済ませていないマシンにとっては格好のピットインタイミング。だが、SC出動有無が微妙だったことも含めて、ピットロード入口近辺に差しかかっていたトップ3、一貴、ロッテラー、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)はピットとの難しいコミュニケーション判断を強いられた。そして結果的には三者とも“不運”に遭遇することとなる。
ロッテラーは最終的に5位まで順位を落としてゴール。2位はロシター、3位には石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING)が入った。4位は平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。一貴とオリベイラはピットイン後に追い上げるも、6位と7位まで。ここまでが全てトヨタ勢で、苦戦のホンダ勢は元F1ドライバー、ヴィタントニオ・リウッツィ(#11 HP REAL RACING)の8位が最高という結果だった。