富士電機、船舶向け排ガス浄化装置を発売…0.1%規制に対応

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富士電機、硫黄酸化物を除去する湿式スクラバの製品図
  • 富士電機、硫黄酸化物を除去する湿式スクラバの製品図

富士電機は、船舶向け排ガス浄化装置を発売すると発表した。

船舶の排出ガス規制強化後、高価な低硫黄成分燃料への切り替えが必要となるが、新製品を搭載することで、現行燃料(C重油)を継続して使用することが可能となり、船舶所有者の運航費用負担抑制に貢献する。同社によると装置の投資回収期間を3年以内と試算している。

また、装置は高風速処理が可能な「サイクロン式」を業界で初めて採用し、従来装置に比べて約50%の小型化を実現した。設置スペースに制限のある既存船改修への適用を可能とするとともに、排ガス浄化装置設置による積荷スペース低減を抑制する。

洗浄水には、海水を利用し、使用後の汚水は浄化処理し船外に排水するオープンループ式と、薬品を利用し汚水を船外に排水しないクローズドループ式を用意する。船舶が運航する海域の規制に応じて切り替えられるハイブリッド方式となっている。

現在、世界で4万台(船齢20年未満を対象)の船舶が運航し、年間2000台が新たに建造されているが、環境保護の観点から、排ガス規制強化が進められている。国際海事機関(IMO)は、大気汚染原因物質の一つである硫黄酸化物(SOx)の排出量抑制に向け、船舶燃料の硫黄分濃度の上限を、指定海域では2015年に0.1%(現在1.0%)、その他の海域では2020年または2025年に0.5%(現在3.5%)に規制を強化する。

同社が開発した排ガス浄化装置は0.1%規制を達成し、船舶所有者の運航費用負担抑制に貢献する。排ガス浄化装置の市場規模は2017年に約500億円と推計しており、同年に20%のシェア獲得を目指す。

《レスポンス編集部》

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