国土交通省、津波発生時、船舶をスムーズに避難させるためのマニュアル作成手引きを策定

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国土交通省、船舶津波避難マニュアル作成の手引きを策定
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国土交通省は、船舶津波避難マニュアル作成の手引きを策定した。

東日本大震災では、津波来襲前に港外に避難できなかった多くの船舶が、港内で漂流、座礁、陸上への乗り上げなどで、その後の航路啓開作業などに支障が出た。

船舶運航事業者は、震災の経験を踏まえ、船舶の航路、使用岸壁、積荷の状態、装備などに応じて、個船ごとに津波避難マニュアルを事前に準備し、乗組員への周知や津波を想定した訓練が重要となる。また、船長が港外避難などを判断するために必要な情報として、「津波到達予想時刻」、「係留バースの水位変化・流速」、「避難海域の指定状況」などが重要な判断材料との回答がアンケート調査から得られたとしている。

国土交通省では、震災の教訓などから、津波来襲時の緊迫した状況の中、船長が短時間に的確な避難行動を判断するためには、個船ごとに津波避難マニュアルを整備しておく必要があると判断。

今回、船舶運航事業者がマニュアルを作成する際に必要な、「事前に備えておくべき情報の内容」、「情報の入手先」などを盛り込んだ「船舶津波避難マニュアル作成の手引き」を策定した。

手引きには、これまで情報入手が困難だった、津波による係留バース付近での水位変化や流向・流速などの情報を、南海トラフ巨大地震などの被害想定から推定した津波防災情報図から事前入手する方法などをわかりやすく解説している。

国土交通省では今後、手引きの周知を図り、マニュアル作成などに協力・支援していく。各船舶運航事業者に、手引きを活用した津波避難マニュアル作成が一層加速し、船長の避難行動判断が、より迅速かつ的確に行うことが可能となることを期待するとしている。

《レスポンス編集部》

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