アクセラの魅力のひとつはスタイリングの良さだ。ボディタイプは“5ドアハッチ”と“セダン”があるが、いずれも秀逸。バランスがよくとても美しい。
また、メーターデザインもスッキリとして見やすい。ダッシュパネル中央部に立てられたナビなどのディスプレイはiPad風デザインでこれも新鮮だ。
エンジンは自慢の“スカイアクティブ”テクノロジーが注力され、低燃費で高性能だ。試乗車はいずれもFFモデル。ガソリンでは2リットル4気筒の114kw(155ps)エンジンの場合、どの回転でもスムーズで心地好い。高回転領域では特に気持ちのよいサウンドで走れる。停止から発進する0-400m加速の雰囲気は3人乗車で17秒あたり。ずばり軽快だ。
一方、2.2リットルのターボディーゼルは120kw(175ps)の動力性能で、同じ条件での0-400m加速ではやはり17秒とほとんど変わらない。車重がガソリン車より140kgも重いのにだ!それに、加速感が圧倒的に力強い。出力が20psも大きくターボの低速からのトルクが大きいので軽快感が強調されるのだ。しかも、まずディーゼルと気が付かないほど静粛性が高い。
ハンドリングも良かった。電動パワステはすこぶるナチュラル。また応答性も鈍すぎず、鋭すぎないスポーティなもの。ただ、やはり軽い分ガソリンの方がより俊敏に動く。と、言ってもディーゼルの落ち着いた走りも悪くない。ワインディングのガソリン、高速クルージングのディーゼルとそれぞれ持ち味がある。いずれも静粛性と乗り心地に不満なく、居住性が良い。ガソリンの燃費も良いが、ディーゼルはさらに高燃費。魅力的なミッドサイズのハッチ、セダンだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。