マレーシア航空(MAS)MH370便の墜落原因はおろか墜落の物的証拠すらもまだ掴めていない異常な状況にあって、中国乗客の家族に続いて中国人著名人やブロガーなどもマレーシア政府やMASに対する批判をエスカレートさせており、マレーシア国内からの反発の声が強まっている。
臆測も含めたメディア報道に煽られる格好で中国国内ではマレーシア批判の声が拡散、これに油を注ぐように著名スターなどもブログなどにマレーシア批判を書き込んでおり、中にはマレーシアに関するすべてをボイコットすべきといった過激な声も上がっている。原因がはっきりするまで謝罪を控えるとのマレーシア側の姿勢も反発油を注ぐ結果となっているようだ。
飛行コースを変更して通信を切ったまま半島を横切ったとされるMH370便にスクランブルをかけなかったなど、事件発生前後のマレーシア軍や情報当局の機能不全を指摘する声は多い。ただ安全保障に関わるために衛星やレーダー情報の提供を周辺各国が出し惜しんだことが混乱を招いた感は否めず、マレーシア当局だけを標的に「情報隠し」を批判するのはおかしいという不満がマレーシア側にはくすぶる。
こうしたことを背景にマレーシアのブロガーから中国側の過激な批判に対する反発の声が出ており、連日ソーシャルネット上を賑わせている。在マレーシア中国人留学生の間からも「ボイコット呼び掛けは何の解決にもならない」と批判する声があがっている。
一方、双方対立の様相に懸念を示すマレーシア華人商工会議所(中華工商聯合会、ACCCIM)は、中国側の批判に不満を募らせるマレーシア・ブロガーに対し、中国側の態度に過度に反応しないよう自重を求める声明を出した。