気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年3月14日付
●東芝流出元技術者を逮捕、提携先元社員、韓国側へ提供容疑(読売・1面)
●三菱重、IHI提携へ、航空機エンジンで新会社(読売・1面)
●電動アシスト自転車「こがずに走る」ネット流通、バイク扱い都が注意喚起(読売・32面)
●小保方さんら撤回同意、STAP論文、細胞の証明不十分(朝日・1面)
●国際特許出願パナが首位奪還、トップ10にシャープ、トヨタ(朝日・11面)
●2年ぶり復帰、F1きょう開幕、じっくり可夢偉(毎日・21面)
●きょうの人、メアリー・バーラさん、「世界中でGMブランド育てる」(産経・2面)
●原発ゼロ夏にも解消、再稼働へ選別進む(日経・1面)
●豪で現地生産「最後の砦」も去る、トヨタ撤退、補助金引き金(日経・2面)
●地方と海外羽田が結ぶ、国際線発着枠30日拡大(日経・2面)
●アウディの販売、国内3.2万台目標、今年、新型車を拡充(日経・13面)
●米でホンダ系工場買収、ユニプレス部品供給先を拡大(日経・13面)
ひとくちコメント
日本企業が独自開発した最先端の技術が海外企業から狙われている実態が改めて浮き彫りになった。東芝の主力製品「NAND型フラッシュメモリー」の研究データが韓国企業に不正流出したことが判明。警視庁は東芝と業務提携する米・半導体メーカー「サンディスク」の日本法人の52歳の元技術者を不正競争防止法違反(営業秘密開示)容疑で逮捕したという。
3月13日付の読売の朝刊1面トップで「東芝技術流出で逮捕状、提携先元技術者に韓国企業へ提供容疑」とスクープ報道。その日に容疑者が逮捕されたことで、きょうも読売は1面トップで報じたほか、各紙も「技術流出『氷山の一角』、防衛策に限界」(毎日)などと、解説記事を中心に取り上げている。
記事によると、元技術者は2007年4月~08年5月、当時勤務していた東芝の四日市工場(三重県)で、最新のフラッシュメモリーの研究データを同社管理のサーバーから記録媒体に無断でコピーして持ち出し、韓国の半導体大手「SKハイニックス」に転職した08年7月、USBメモリーに記録したこのデータをSK社に提供した疑いで逮捕。元技術者も「全て間違いない」と容疑を認めているという。
「狙われる虎の子技術」(朝日)は、今回の東芝の例ばかりではない。過去にもデンソーの中国人技術者が設計図面などを持ち出したことが発覚。ヤマザキマザックでも、中国籍の社員が設計図面などのデータを大量にダウンロードし、逮捕されている。
自動車メーカーなどでもリストラされそうな有能な技術系の社員が週末になると、韓国企業などに「出稼ぎバイト」するケースも多いと聞いたことがある。ただ、読売によると「流出を防止する決定打はない」(大手製造業)のが実情だと伝えている。