NTN、自動車変速機用 低トルクシールリングを開発

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自動車変速機用シールリング
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NTNは3月5日、低トルク、低摩耗、低オイルリークを実現した自動車変速機用シールリングを開発したと発表した。

自動変速機(AT)や無段変速機(CVT)には、外径15~60mmの樹脂製シールリングが4~10個使用されている。シールリングは変速機の油圧回路内で相対運動する軸とハウジングの間に組み付けられ、しゅう動しながらオイルを密封する役割を果たしている。

今回開発した「低トルクシールリング」は、特殊充填剤を配合したPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂を用い、射出成形を行う際、シールリングの側面にV字状の潤滑溝を形成。また、V字状溝の形状を最適設計し、オイルリーク特性を確保しながらシールリングを組み付ける軸溝側面との接触面積を縮小したほか、しゅう動面への油の供給性を改良し、潤滑状態を向上させた。

この結果、従来品に対し、軸の回転トルクを60%低減することに成功し、摩耗量についても最大1/10と大幅に向上させた。加えて、材料組成の見直しにより、シールリング幅を30%低減。本シールリングの採用により、ATやCVTの高効率化、小型化に貢献する。

なお、V字状潤滑溝の形成は、NTN独自の技術で、世界初の試みとなる。

NTNは、本開発商品を省エネルギー化に貢献する商品として、すでに自動車用変速機メーカーに提案を開始しており、さらに農業機械や建設機械用変速機への用途拡大も図っていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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