東京都新宿区内で職務質問中の警官が乗用車にひきずられて重軽傷を負った事件について、警視庁は2月25日、クルマを運転していた38歳の男を殺人未遂や公務執行妨害容疑で逮捕した。警官による銃撃を受け、重傷を負っていた。
警視庁・新宿署によると、問題の事件は2014年2月23日午後5時20分ごろ発生している。新宿区内をパトロールしていた第2自動車警ら隊の隊員が不審な挙動で走行する乗用車を発見。新宿区大久保3丁目付近の区道で抑止し、職務質問しようと接近したところ、クルマは急発進。49歳の隊員がひきずられ、街路樹との間に挟まれて重傷。クルマはパトカーにも体当たりし、36歳の隊員が打撲などの軽傷を負った。逃走するクルマに対しては別の警官が予告の後に拳銃を使用。1発が命中していた。
クルマに乗っていた男女は近くで車両を放置し、タクシーに乗り換えて逃走を図ったがすぐに身柄を確保。クルマを運転していた38歳の男は銃撃で重傷を負っていたことが判明したために入院。同乗していた20歳の女は覚せい剤を所持していたため、覚醒剤取締法違反(所持)の現行犯で逮捕している。
男のケガは命に別状無く、事情聴取にも耐えうると判断されたため、25日に殺人未遂や公務執行妨害容疑で逮捕した。
聴取に対して男は「逃げようとしただけであり、警官を殺傷するような意図はなかった」、「アクセルとブレーキを踏み間違えただけ」と供述。容疑を否認しているようだ。警察では覚せい剤所持の発覚を恐れて逃走したものとみて、事件発生の経緯を詳しく調べている。