33年の長期政権を誇って来たサラワク州のタイブ・マハムド首相は8日、辞任の意向を明らかにした。2月末を持って辞職すると見られる。
サラワク州の第1党、サラワク・ブミプトラ保守党(PBB)の最高幹部会議と同州国民戦線(BN)の最高評議会会合に参加した後にタイブ首相は、規定に沿い辞任に向けて段階を踏んでいく必要があるとした上で、辞任日と後任者は現在の所明らかにできないと述べた。また辞任の理由や後任候補者についても明言を避け、全ての工程が終わった時点で発表すると明らかにした。
最高評議会会合は8、9日かけて行われた。全ての同州BN構成党は、タイブ首相の辞任と、後継者をサポートして行くことで合意した。
同州元首のアバン・サラフディン知事(州元首)の任期が2月28日に任期が切れることから、タイブ氏が州首相を辞任して3月から知事に就任するのではないかとみられている。
タイブ州首相の後任候補としては、アバン・ジョハリ第2副党首(州観光相)を筆頭に、アマル・アワン・テンガ上級党首補(州第2資源管理環境相)、アデナン・サテム広報部長(州特務大臣)の名前が挙がっている。
昨年はタイブ一族が関係する木材伐採に関する汚職疑惑で、新たな隠しビデオ映像が英国の非政府組織(NGO)「グローバル・ウィットネス」(GW)によって公表された。またスイスのブルーノ・マンサー基金(BMF)は、タイブ一族がカナダ、英国、米国、豪州に推定で計150億米ドル相当の資産を保有していると指摘した。
昨年5月の総選挙の下院選(同州定数31)では、華人票が民主行動党(DAP)に流れたことなどから5議席も減らし、タイブ氏の求心力の衰えが目立ちはじめていた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、2月10日)