川崎重工、液化水素運搬船に搭載する貨物格納設備を開発…基本承認を取得

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川崎重工業は、液化水素運搬船に搭載する貨物格納設備(CCS)の基本承認(AiP)を日本海事協会から取得したと発表した。

基本承認は、IGCコードと船級規則に加えて、HAZID(Hazard Identification Study)解析法を用いたリスク評価結果に基づき、日本海事協会から付与された。

今回基本承認を取得した貨物格納設備は、同社が開発している液化水素運搬船の液化水素格納部。液化天然ガス(LNG)運搬船と陸上の液化天然ガス/液化水素の貯蔵・輸送分野における設計・建造技術をベースに開発した極低温蓄圧式の液化水素専用貨物格納設備となる。容積は1250立方メートルで、LNGに比べて蒸発しやすい液化水素の輸送に適した真空断熱構造を採用している。

極低温の液化水素を積載するため、貨物槽は船体に関係なく独自に低温収縮できる横置式シリンダー型圧力容器を採用する。外部からの侵入熱により発生するボイルオフガス(BOG)を耐圧構造の貨物槽内に閉じ込め、外部にBOGを出さない蓄圧方式を採用する。

蓄圧方式の採用で、液化水素を貨物格納設備内に設置した揚荷ポンプだけでなく、加圧圧送で揚荷することも可能。輸送中の液化水素の蒸発を最小限に抑えるため、新開発の真空断熱システムを採用し、二重殻貨物槽構造としている。

貨物槽の支持には、新たに開発した熱を伝えにくく、強度的にも優れたガラス繊維強化プラスチックを用いた支持構造を採用し、断熱性能の向上を図った。貨物槽の二重殻貨物槽構造にドームを追加し、点検用マンホールを設置することで、ドック時の貨物格納設備の開放点検を可能としている。

今後、燃料電池車の市場投入や代替エネルギー政策の加速を背景に、水素市場の拡大が予想されている。同社が市場投入を目指し、開発を進めている液化水素運搬船は、貨物格納設備を2基搭載し、貨物格納設備を格納する船倉の船側と船底などに二重船殻構造を採用し、衝突、座礁などの事故に対する安全性を確保する。同時にホールドカバーにより、貨物格納設備を外部から保護し、外気と遮断する構造となっている。

主機関にはディーゼル機関を採用する予定。将来的なBOGの有効利用を見据え、燃料電池、水素ガスタービンなどの試験設備を有した船上実験室を併設する計画。
《レスポンス編集部》

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