東京地下鉄(東京メトロ)は1月26日、日立製作所と共同で開発している非常用地上バッテリー装置を使った列車の自力走行に成功した。同社が1月31日、発表した。
非常用地上バッテリー装置は、蓄電池式回生電力貯蔵装置で確立した日立の技術を応用したもの。回生ブレーキによって発生した電力を駅や駅間に設置した地上側の蓄電池で貯蔵し、列車の運行に必要な電力として利用する。
通常は蓄電池に一時的に貯蔵した電力で列車の加速を補助するが、震災などの影響で大規模停電が発生して列車が自力で走行できなくなった場合、貯蔵した電力を電車線に供給。駅間で停止した列車を最寄り駅まで自力走行させる。乗客を線路上に降ろして徒歩で誘導するのに比べ、安全・迅速に誘導することが可能になる。
1月26日の走行実験では、リチウムイオン電池の非常用地上バッテリー装置に蓄えた電力のみ使用し、東西線の葛西~南砂町間2.7kmで列車の自力走行を行った。リチウムイオン電池を使用した非常用地上バッテリー装置のみによる列車の自力走行は国内初という。