【ナノテク14】東レ、ナノアロイの複合材でビッグビジネスを狙う

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ナノアロイの複合材を利用した東レの製品
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東レは「ナノテク14(第13回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)」に独自に開発した「ナノアロイ」の複合材を展示。今後、これを大きなビジネスに育てていく方針だ。

ナノアロイとは、10億分の1を表す接頭語の「ナノ」と合金を意味する「アロイ」の造語で、ナノメートルオーダーで複数のポリマーを混合する特殊な技術のこと。その大きな特徴は、プラスチック(堅さ)とゴム(柔らかさ)という相反する特性を持つ点にある。しかも、炭素繊維をはじめとしたさまざまな材料との複合材が可能なのだ。

例えば、そのナイロン樹脂は急激に衝撃を加えたときにゴムのように変形して衝撃を吸収する。そのため、自動車や航空機分野を筆頭に、常識を覆す代替マテリアルとして期待が高いという。

また、ナノアロイに高精度積層技術を組み合わせて実現したフィルムは、耐熱性と成型しやすさを兼ね備え、ラベル、テープ、電子部品としての活用はもちろんのこと、従来の塗装・メッキ技術に変わって環境低負荷・表面高付加価値が要求されているスマートデバイス、家電、自動車の内外装にも応用できるそうだ。

最近では、ハニカム構造をした部材も開発。「厚さ10ミリのものでも、畳よりも衝撃吸収力が高いので、構造部材としてハウスメーカーに提案しているところです」と東レ関係者は話す。

このようにいろいろなところでの応用が可能なので、ビッグビジネスを狙うというのも当然かもしれない。東レはこうした技術が評価されて、今回の「ナノテク」で大賞を受賞した。

《山田清志》

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