ウェザーニューズと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、大規模災害時、多数集結する、災害救援航空機の迅速な救援活動と安全運航を実現するためのシステム構築に向けた共同研究を1月から開始した。
ウェザーニューズはこれまで、機体の修理改造の必要がなく低コストで導入可能な機内持ち込み型動態管理システム「FOSTER-copilot」を開発し、現在、国内45機のヘリコプターに導入されている。「FOSTER-copilot」によって取得された航空機の位置情報を、運航判断支援ツール「FOSTER-GA」上で気象情報と重ね合わせることにより、航空機の安全、効率的な運航をサポートしている。
JAXAは、航空機の位置情報に加え、これまで災害時に音声による無線通信やホワイトボードなどを使って行われてきた航空機と、地上の運航拠点、災害対策本部などの情報伝達、共有をデータ通信によって行い、多数の航空機に最適な任務を付与することを可能にする「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」の研究開発を進めている。
今回の共同研究では、「FOSTER-copilot」を搭載している航空機と、「D-NET」対応動態管理システムを搭載している航空機の位置情報や、現地の被災状況、搬送患者などの情報を相互に共有し、地上の「FOSTER-GA」や「D-NET」対応の端末上で統合して表示する。これによって被災地に集結したドクターヘリや、消防防災ヘリコプターなど、災害救援航空機を一元的に管理する技術開発を目指す。
実現すれば、特に大規模災害発生時、地上の災害対策本部や、運航拠点などの各拠点間での円滑な連携と、医療搬送・災害救援活動にあたる災害救援航空機の安全、効率的な運航判断による迅速な救護・救援活動への貢献が期待されるとしている。