人民正義党(PKR)内のトップ対立が深まっているセランゴール州で、同州議会カジャン選挙区のPKR所属議員、リー・チンチェ議員が27日に辞職を発表。
党内対立収拾を図るためにPKRのリーダー、アンワル・イブラヒム元副首相が後がまとして補選に出馬する。アンワル氏は当選後に現職のカリド・イブラヒム州首相に代わって州首相に就任する見通しだ。
アンワル氏は28日、野党連合・人民同盟(PR)の友党幹部と共に記者会見を開き、補選出馬の意向を明らかにした。与党連合・国民戦線(BN)が党内抗争解消のために補欠選挙を利用しようとしていると批判していることについては、「(補選が)同州政府を強化しうる候補者に空席をつくるため」と説明した。
アンワル氏はペナン州選出の下院議員だが、州議会議員との掛け持ちもマレーシアでは認められている。アンワル氏に「席を譲った」とされるリー氏は、辞職理由について「野党連合を強化するため」と説明していた。PKR同州支部では、特に青年部の間でアンワル氏待望論が上がっていた。
同州PKRでは、カリド州首相とアズミン・アリ党首補の対立が鮮明化。先ごろカリド州首相は、セランゴール州開発公社(PKNS)の役員だったアズミン氏を解任していた。
法律では議席に空白ができた場合、60日以内に補欠選挙が行われることになっている。昨年5月の総選挙では、リー氏が与党連合・国民戦線(BN)候補者を7千票近くの差をつけて圧勝していた。