【CES14】ブランドの個性を活かすOEMカーオーディオで新活路…パナソニック

自動車 ビジネス 企業動向
前2スピーカーと総合580Wのパワーアンプを搭載した「ミニクーパー クラブマンS」
  • 前2スピーカーと総合580Wのパワーアンプを搭載した「ミニクーパー クラブマンS」
  • 「アビーロードスタジオ」を搭載していることを示すロゴマーク
  • アビーロードスタジオは、ビートルズをはじめ、様々な有名アーティストが録音したスタジオとして有名
  • クラブマンSの運転席周り。センターのマイクロフォンはイミテーションだとか
  • スピーカーグリル周囲にはボディカラーに合わせた配色
  • ヘッドユニットは基本的にオリジナルのまま。パナソニックはアンプ以降スピーカーまでを手掛ける
  • カーゴルームにセットアップしたイコライザー付きアンプ
  • 会場に展示されたアビーロードスタジオをイメージさせるマイクロフォン
“B to B”事業に力を入れるパナソニックが特にCES2014でアピールしていたのが、「アビーロードスタジオ」とコラボして作り上げたOEM向けカーサウンドシステムだ。これまでにも数々のスタジオと提携してきたパナソニックがまたさらに魅力的なブランドを手中にした。

「アビーロードスタジオ」と言えば、かつてビートルズやピンク・フロイドが、最近ではレディ・ガガ、アデルなどが録音したスタジオとして知られる。録音スタジオにはそれぞれに目指す音作りというものがあって、だからこそアーティスト達はスタジオにこだわって録音をする。パナソニックは、このスタジオが持つ音作りをカーオーディオに反映させ、魅力的カーサウンドとして自動車メーカーに提供していこうというわけだ。

実はパナソニックは、これまでにも録音スタジオ等との提携を重ねてきた。たとえばアキュラに提供する「ELSサウンドシステム」は、グラミー賞を受賞したレコーディングエンジニアやプロ-デューサーがサウンドを監修する。さらにフォルクスワーゲンに提供する「Fender」は世界中のギタリストを魅了してきたメーカーや、ジャズクラブで有名な「Blue Note」とも提携を発表。今回の「アビーロード・スタジオ」との提携により、パナソニックは全4つのブランドと提携を実現したことになるわけだ。

パナソニック・アメリカのオートモーティブ・システムズの横山 寛氏は、「スタジオが持つ音楽性は、カーオーディオメーカーが得られない独自の世界を持っている。それをカーオーディオに活かすことで、これまでにない魅力的なカーサウンドに仕上がることを知ってもらいたい」とする。横山氏は他の3つのブランドとの提携にも関わり合いを持ち、自動車メーカーに対してその採用を積極的に働きかけてきたという。

では、どうしてこれらのブランドとの提携が必要だったのか。実は海外では自動車メーカーがサードパーティと提携し、それを一つの魅力として販売する例が増えている。その分野で特に知られるのが「Bose」であり、「JBL」でもある。特にBoseはOEMカーオーディオとして車両開発段階から参画するなど、自動車メーカーとの関係が深い。一方、パナソニックはOEMとして提供してきたものの、オーディオブランドとしてはアピールしにくい。そこで、こうした音楽性に富んだブランドと提携することで、カーオーディオを一つのブランドとして売り込める、この手法を採用するに至ったというわけだ。

横山氏によれば、実は「Fender」を採用しているのはVWだが、本来はアメリカンサウンドとして、本来はアメリカの自動車メーカーを狙って活動していたのだという。それがVWが北米で生産を本格化する際に、VW曰く「VWも立派にアメリカのクルマであることをアピールしたい」として採用が決まったのだという。また、アキュラに採用されている「ELS」については最初は別の高級ブランドを狙っていたが、結果としてアキュラに落ち着いた経緯があったと話す。

出展した「ミニクーパー クラブマンS」には、全12スピーカーと独自のモーションコントロールを備えた580Wもの大パワーアンプを組み合わせる。しかし、基本技術はこれまでパナソニックが培って来たものがベース。「新規開発したのは楕円スピーカーだけ(横山氏)」。つまり、パナソニックが永年培って来たカーオーディオ技術が、音楽性豊かなブランドとの提供によって息を吹き返すというわけだ。今回の提携を通して、パナソニックが目指すカーオーディオの新たな世界を垣間見た気がした。
《会田肇》

編集部おすすめのニュース

特集