甲賀市、信楽高原鐵道の復旧費を補正予算案に計上…12月までに再開へ

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信楽高原鐵道信楽線の路線図。起点の貴生川駅のすぐ近くにある杣川橋りょうの橋桁が流失し、全線で運転を見合わせている。12月の再開を目指す。
  • 信楽高原鐵道信楽線の路線図。起点の貴生川駅のすぐ近くにある杣川橋りょうの橋桁が流失し、全線で運転を見合わせている。12月の再開を目指す。

滋賀県の甲賀市は1月15日、本年度一般会計補正予算案の概要を発表した。2013年9月の台風18号で被災した信楽高原鐵道信楽線の再開に向け、同線の復旧費などを計上。12月までの再開を目指す。

信楽線は、甲賀市内の貴生川~信楽間14.7kmを結んでいるローカル線。甲賀市などが出資する第三セクターの信楽高原鐵道が運営している。利用者の減少などにより厳しい経営が続いていることから、2013年4月に公有民営方式の上下分離経営体制に移行。甲賀市が信楽線の施設を保有し、信楽高原鐵道に施設を無償で貸し付けている。

これにより信楽高原鐵道の本年度の収支は黒字になる見込みだったが、2013年9月の台風18号による豪雨で杣(そま)川橋りょうが流失するなど甚大な被害を受け、全線の運転を見合わせている。復旧費用が膨大な額になることから、一時は廃線の可能性も浮上していたが、国や県から復旧の補助を受けられることになり、再開することが決まった。

運行再開に必要となる事業費は約7億4000万円だが、流失した橋桁の撤去などが専決処分などにより既に支出されていることから、補正額はこれらの費用を差し引いた6億2210万円になる。内訳は鉄道施設災害復旧事業が5億5570万円、鉄道施設災害関連事業が6640万円。

鉄道施設災害復旧事業では、台風18号の豪雨で流失した杣(そま)川橋りょうと線路、法(のり)面の復旧工事を行う。国と滋賀県が1億3867万5000円ずつ負担し、残りは市債2億7735万円と寄付金36万円、市の一般財源64万円でまかなう。

このほか、再度の災害を防止するため、鉄道施設災害関連事業として第2大戸川橋りょうの補強工事なども行う。国が2213万3000円、甲賀市が4426万7000円を負担する。

《草町義和》

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