くま川鉄道、3月から新型車両3両導入…観光列車も運転

鉄道 企業動向
3月から運転を開始する新型車両(KT-501~503)で運転される観光列車『田園シンフォニー』の案内。最終的には5両の新型車両が導入される予定だ。
  • 3月から運転を開始する新型車両(KT-501~503)で運転される観光列車『田園シンフォニー』の案内。最終的には5両の新型車両が導入される予定だ。
  • 新型車両の導入に伴い従来車のKT-100・200形は順次運転を終了するが、リニューアル車の「KUMA1」「KUMA2」は当面残る。写真は2月2日に運用を終了する予定のKT-202。
人吉温泉(熊本県人吉市)~湯前(湯前町)間24.8kmの湯前線を運営しているくま川鉄道は、3月から新型車両を3両導入する。観光列車『田園シンフォニー』の運転も開始。利用者の減少に伴い運用車両数を減らす一方、観光客の誘致に力を入れる。

湯前線は1924年、鹿児島本線(現在の肥薩線)から分岐する国鉄ローカル線として開業した。1987年には日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)に基づき廃止されることになったが、後に沿線自治体出資の第三セクター「くま川鉄道」によって同線の存続を図ることが決定。1989年10月1日からくま川鉄道の路線として再スタートを切った。

くま川鉄道は経営移管にあわせ、KT-100形4両とKT-200形3両を導入。新潟鉄工所(現在の新潟トランシス)製の軽量気動車シリーズ「NDC」で、KT-100形はセミクロスシート・トイレなし、KT-200形はロングシート・トイレ付きとなっている。2009年には、KT-100・200形各1両(KT-103・203)をリニューアル。JR九州などの鉄道車両のデザインで知られる水戸岡鋭治さんがデザインを担当し、KT-203は「KUMA1」、KT-103は「KUMA2」の愛称がそれぞれ付けられた。

また、2004年には輸送力の大きいJR車両の乗り入れがなくなったため、JR九州からキハ31形気動車1両(キハ31 20)を譲り受けて朝ラッシュ時の輸送力を確保した。

これ以降、くま川鉄道は8両体制の運用を続けてきたが、輸送人員が経営移管時の約半分に減ったことから、2013年にはJR九州から譲り受けた車両の運用を終了。KT-100・200形も車両の更新時期を迎えたため、くま川鉄道は所定の車両運用を5両体制に縮小するとともに、新型車両を順次導入することにした。

今回導入される新型車両は、KT-501~503の3両。「KUMA1」「KUMA2」と同様、水戸岡さんがデザインを担当しており、木材を多用した車内設備が特徴となっている。3月8日から一般の普通列車として運行を開始する予定だ。

3月15日からは、KT-501~503を使用した観光列車『田園シンフォニー』の運転も開始する。運行時刻は人吉温泉11時11分発~湯前12時18分着、湯前12時31分発~人吉温泉13時15分着。乗車に際しては運賃のほか座席指定料金(300円)が別途必要になる。予約受付は2月15日から開始する。

人吉温泉発湯前行きの下り『田園シンフォニー』は一部の駅を通過するが、速度を落として運転するほか途中駅の停車時間も増やし、所要時間を通常より約20分長い1時間7分にする。「通常の速度では見ることができない車窓から見える四季折々の景色」を堪能できるようにするという。

新型車両は2015年にも2両追加され、最終的には5両になる予定。これに伴いKT-100・200形が運用から順次離脱し、まずKT-201が1月19日、KT-202が2月2日に運用を終了する。ただしリニューアル車の「KUMA1」「KUMA2」は今のところ廃車の予定がないため、当面は7両体制が続く見込みだ。
《草町義和》

編集部おすすめのニュース

特集