国土交通省安心生活政策課が、ベビーカーマークと、その利用にあたってのお願いについて、国民に意見を求めている。
ベビーカーが使えますという利用を促す統一的なマークはなかった。今あるベビーカーマークは、それぞれの施設管理者がエスカレーターなどで、赤い斜線で使用禁止を強調した「禁止」マークとして使っている。国交省が制定しようとしているのは、使用できることを示すマークだ。
例えば、ベビーカーの列車内での取り扱いが議論になる。ベビーカーは折りたたむべきか、そのまま子供を乗せておくことができるかという問題。ここにベビーカーが使えるというマークがあれば、安心して利用できる。
「今ではベビーカーの列車内での使用は、必ずしもたたんで乗る必要はないという方向に、それぞれの鉄道事業者が変えてきています」(同課担当者)
ベビーカーを列車内に持ち込める荷物として考えると、容量制限に触れる大きさにはならないからだ。子育て団体も荷物と子供を抱えて、さらにベビーカーを持って乗り込むことは、安全上も問題があると訴える。
確かに10年ほど前までは、鉄道事業者もベビーカーは折りたたんで乗ってほしいと考えていた。たたむべきという考え方も根強い。
「統一したマークを決めて、エレベーター、列車、デパートなどで、ベビーカーが優先して使えることを知らせるために活用してもらうことを考えている」(同上)
意見募集で提示されたマークの候補案は3種類。女性がベビーカーを押すパターン。子育ての男女参画を考え、男女どちらにも見える大人が押すパターン。男女どちらにも見える大人がベビーカーといっしょに立ち止まっているパターンだ。
これら候補案のどれを選ぶべきかという意見とともに、ベビーカーを使用する場合の注意点などを示した文書についての意見も募集する。締め切りは1月20日。
候補案などは、国土交通省のホームページ、報道発表資料の中の『「ベビーカーマーク(案)」及び「ベビーカー利用にあたってのお願い(案)」についての意見募集について』に掲載されている。