18~19日、富士スピードウェイで全日本選手権スーパーフォーミュラの第6回新型車両開発テストが実施された。来季から採用されるダラーラ製シャシー「SF14」とトヨタ及びホンダの新型2リッター直噴直4ターボエンジンの開発は、いよいよ実戦域の仕上げに入ってきている。
初日が雪まじり、2日目も雨という生憎のコンディションとなったなか、年内最後のSF14開発テストを担当したドライバーは中嶋一貴、ジェームス・ロシター(以上トヨタエンジン車)、山本尚貴、中嶋大祐(以上ホンダエンジン車)。7月の初テストから5カ月を経過し、SF14と新エンジンの開発は両陣営とも「80%以上」「8~9割」と言えるレベルまで到達した模様だ。
タイムや最高速の面ではトヨタ先行の状況が続いているが、ホンダの佐伯昌浩エンジニアは「自分たちのメニューを淡々とこなしていますので、タイムと相手(トヨタ)は気になりません」とキッパリ。やはり実際の戦力比較は各チームに新型車が行き渡ってから実戦モードのテストが始まらないと、なんとも言えないようである。一方のトヨタは「今回は雨なので、ドライバビリティ中心のメニューでテストを進めました」(佐藤真之介エンジニア)とのこと。タイム面でリードしていることについては、佐藤エンジニア、冗談まじりに「あちら(ホンダ)は三味線引いているんじゃないですか?(笑)」とも(三味線引く=レース用語で「本気を出さない」)。
タイム的には、初日朝のドライの時間帯にロシターがマークした1分24秒252が今回のSF14最速。今季型SF13(旧名:FN09)で並行実施されていたルーキーテストの最速が1分23秒837であり、一概には比較できないが、SF14がすでに先代同等レベル以上の速さに到達していることは間違いない状況だ。
いくつかのチームにはSF14のデリバリーもすでに開始されているようで、これまではトヨタ、ホンダ1台ずつだった開発テストが、いよいよ来年2月18~19日に予定されている2014年第1回公式合同テスト(富士)から、本格的実戦モードに進むこととなる。