三菱マテリアルは、ハイブリッド車(HV)の高出力モータ電源制御用のインバータなどに広く採用されている絶縁回路基板として、新しい材料構成である銅(Cu)をアルミニウム(Al)に直接接合した、次世代パワーモジュール用高性能絶縁回路基板「厚Cu付きDBA基板」を開発した。
今回開発した厚Cu付きDBA基板は、DBA基板の製造・開発で培ってきた高い接合技術と材料構成の最適化で実現したもので、熱抵抗低減や高い信頼性が要求される自動車や鉄道に適している。
セラミックス基板の両面に接合されたアルミニウム板に、銅回路材を直接接合した構造で、従来の約4倍となる肉厚3.0mm程度の銅回路材接合が可能となる。銅板とセラミックス基板の間に接合した高純度アルミニウム層が、熱応力を緩和し、温度サイクル(マイナス40~125度×3000サイクル以上)の条件下でもセラミックス割れを防止する。
セラミックス基板として、窒化珪素だけでなく、熱伝導率の高い窒化アルミニウムを用いることも可能で、両面Cu付き構造やアルミニウムヒートシンク一体型構造など、様々な構造にも対応する。
今回の開発品は、銅事業とアルミニウム事業を持つ三菱マテリアルグループの特徴を生かした「マテリアル・プレミアムの実現」。今後も、独自の技術を活かした製品開発によるパワーモジュール用高性能絶縁回路基板を通じて、電力機器分野の発展に貢献していくとしている。