列車の脱線を誘発、トラック運転者に執行猶予付きの有罪判決

自動車 社会 社会

今年2月、兵庫県高砂市内の山陽電鉄線の踏切で発生した列車の脱線事故について、脱線の要因をつくったとして自動車運転過失傷害や過失往来危険の罪に問われた37歳の男に対する判決公判が25日、神戸地裁姫路支部で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2013年2月12日の午後3時50分ごろ発生している。高砂市荒井町南栄町付近にある山陽電鉄線の踏切を進行していた中型トラック(キャリアカー)は前走車に進路を阻まれて、通過しきる前に踏切内に車両後部を残して停止。この間に遮断機が作動し、下りてきた遮断機が車体後部の道板(スロープ)に引っかかって立ち往生した。

トラックを運転していた男はスロープを地面まで下ろして脱出を図ろうとしたが、直後に通過した上り特急列車(姫路発/梅田行き、6両編成)がこのスロープに乗り上げて1両目と2両目が脱線。1両目は斜めに傾いた状態で近くにある荒井駅のプラットホームに突っ込んだ。

この事故で列車の運転士が足を骨折する重傷。列車の乗客13人と、トラックを運転していた大阪府伊丹市内に在住する36歳の男が打撲などの軽傷を負った。警察は後に男を自動車運転過失致死容疑で逮捕。検察は同罪と過失往来危険の罪で男を起訴している。

これまでの公判で検察側は「被告は遮断棹を折っても脱出すべきだった」と主張。これに対して被告弁護側は「被告は電車との衝突を避けようとスロープを下げ、踏切から脱出しようとしていた」と主張していたが、25日に開かれた判決公判で、神戸地裁姫路支部の地引広裁判長は「被告がスロープを下ろして脱出を図ったのは判断の誤りだった」と指摘した。

その上で裁判長は「スロープの固定器具が遮断棹に接するまで、右前方(対向車線側)へ支障の無い程度に車両を前進させていれば列車との衝突を回避できた」、「回避措置の判断を誤っており、過失責任は大きい」として、被告に対して禁錮2年6か月(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡している。
《石田真一》

編集部おすすめのニュース

特集