【トヨタ ハイエース 改良新型】走行安定性が向上する、こだわりの仕掛け

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ハイエースがマイナーチェンジした。今回のマイナーチェンジでは、それ以前のモデルと比較し、より洗練さとタフさを付加したものとなった。

フロント周り…低重心でどっしりした印象に

エクステリアデザインで目立つ変更は、フロント周りに集中している。最近のトヨタのフロントグリルに多い“T”デザインと、横基調は踏襲しながらも、形状が変更された。

“T”デザインは、フロントのエンブレムを中心に左右方向に延びたラインと、エンブレムから下に向かったラインで成立しており、これはマイナーチェンジ前と同様だ。

フロントグリルは、一度内側へ入る形状の後、ハの字に広がるように変更され、大型化されたアンダーグリルもその下に組み込まれた。このアンダーグリルにより、目線が下に行き、重心を低く見せる効果がある。さらにハの字のグリルと合わせて、どっしりとした安定感のある印象と、よりタフさを強調している。

また、ヘッドライトの形状もフロントグリルにあわせて変更された。LEDヘッドライトが採用され、目つきの鋭さが生まれている。当然のことながら、ディスチャージヘッドライトより、明るくなることから、安全性の向上に貢献している。

バンパー形状は2004年にフルモデルチェンジした形状に近いものとなった。特にフォグランプ下の張り出しがなくなり、スムーズな面構成となっている。これにより、外側への突起物がなくなり、空気抵抗低減とともに、縁石などへのヒットも軽減される。

リア周り…シンプルかつシャープに

フロントデザインの変更に伴い、リアもバランスが取られた。具体的には、リアガーニッシュが変更され、平面だったものから、周囲のエッジを落とすことで、シンプルでよりシャープな印象を与えるようになった。

空力…走行安定性向上のために

1BOXタイプは見るからに空気抵抗が大きく、特に横風の影響が受けやすい。そこで、今回のマイナーチェンジでは、空力を利用した走行安定性の向上が図られた。

まず、テールランプに4つの突起が設けられた。この突起に、サイド面を流れてきた空気が当たることで渦巻きが発生する。渦巻きは周りの空気を吸い込みながら、車体後端で交わるような流れをつくる。そうすることで、空気が車体を左右から押さえこむ役割を担い、直進安定性や、コーナリング時の安定性に貢献しているのだ。

さらに、ドアミラー付け根にもフィンをつけ、サイドウインドウに添うように空気を流している。これらも合わせて、走行安定性の向上を狙ったのだ。

マイナーチェンジの効果…街もドライバーも喜ばしい変化

前述のとおり、フロントのデザイン変更による見た目の印象が変化が大きい。ハイエースは街中で非常に多くみられる商用車の1台で、そのデザインが、押し出し感などの威圧感を強調するのではなく、安定感やしっかり感を周囲に与えることは大変望ましいことだ。

さらに、ドライバーにとっても、横風の影響を受けやすいボディを、空気の応力を利用することで走行安定性の向上が図られたことは安全面でもこれまでより一層前向きに受け入れる事ができる。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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