NASA 火星探査機『MAVEN』 11月18日打ち上げ

宇宙 科学

2013年11月18日 アメリカ東部時間午後1時28分(日本時間19日午前3時28分)、NASAの火星探査機『MAVEN(Mars Atmosphere and Volatile Evolution:メイヴン)』がフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。

MAVENは、火星の上層大気を探査する衛星。打ち上げ重量は2550キログラム、幅う11.4メートルと比較的大型の探査機だ。NASAのゴダード宇宙飛行センターが主導し、ロッキード・マーチンが製造、アトラスVロケットで打ち上げられる。主任研究者はコロラド大学大気と宇宙物理学研究所のブルース・ジャコスキー博士で、搭載する観測機器の開発にもコロラド大学が参加している。ゴダード宇宙飛行センターが中心となる初の火星ミッションとなる。

探査機本体が火星の周囲を周回し、火星地表への着陸などは行わない。火星は大気が希薄で寒冷な気候となっているが、MAVENは火星の大気から揮発性の物質が失われた経緯や太陽から来る荷電粒子「太陽風」が火星に及ぼした影響を調べる。現在、失われつつある揮発性物質の量やこれまで失われた総量を調べることで、火星が現在のような大気の状態や気候になった原因、水の存在、火星の居住性についての解明が進むと期待されている。

MAVENは11月18日の打ち上げ後、約10カ月かけて火星へ向かう。2014年9月に火星へ到着し、5週間ほどかけて探査を行う軌道に乗り、観測機器のテストなどを行う予定となっている。主要な観測機器での初期ミッションは地球時間で約1年行われる。通常の軌道では、火星地表からもっとも近い時には150キロメートル、最も遠い時には6000キロメートルの高度を飛行する。観測期間中に、観測機器を高度125キロメートルまで降ろす「ディープ・ディップ」ミッションを5回予定しており、高層大気と低層の大気の境界を探査する計画もある。

2008年からスタートしたMAVEN計画だが、打ち上げ直前の2013年10月にアメリカ政府予算不成立による政府機関執行停止の影響を受け、一時は予定していた11月半ばの打ち上げが危ぶまれた。その後、緊急性が認められて打ち上げ準備は再開された。打ち上げ日の約2週間ほど前となる11月5には、インドが初の火星周回探査機で同様に火星の大気を調査する「マンガルヤーン」を打ち上げており、こちらも2014年9月始めに火星に到着する計画となっている。MAVENの高利得アンテナは1週間に2回、地球と通信が可能になるとのことで、順調にいけば2014年末ごろには火星の大気に関する観測結果が両探査機から毎週のように届くことになる。
《秋山 文野》

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