NEDO、セリウム使用量を30%低減した新しい自動車排ガス浄化用助触媒材を開発

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新セリアジルコニア助触媒の電子顕微鏡像
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NEDOと名古屋大学、ノリタケカンパニーリミテド、名古屋工業大学は、希少金属セリウムの使用量を30%以上低減できる、自動車排ガス浄化用助触媒材の開発に成功した。

今回開発した助触媒材は、材料のジルコニア表面にセリウムをコーティングするコアシェル構造を採用することでセリウム使用量を低減。低温での触媒効果の改善により効率的な排ガス浄化も可能になる。
さらに、この技術を応用することにより、触媒の貴金属(白金族)も、その使用量低減が期待される。

希少金属は日本の成長を支える産業にとって必要不可欠な材料だが、その偏在性から、特定産出国への依存度が高く、我が国の中長期的な安定供給確保に対する懸念が生じている。
この問題を背景に、NEDOでは2008年度から希少金属の使用量低減技術、及び代替材料開発に取り組んでいる。
その中で名古屋大学とノリタケカンパニー、名古屋工業大学のグループは、2011年3月~2012年2月に、「排ガス向けセリウム使用量低減技術及び代替材料開発/排ガス浄化用触媒のセリウム量低減代替技術の開発」と銘打って自動車排ガス浄化用助触媒のセリウム量低減技術の開発に取り組んだが、その成果をもとに研究を進め、このほどジルコニア粒子の表面にセリアジルコニア相とセリア相を形成するコアシェル構造にすることで、セリウム使用量を30%低減した助触媒用材料の開発に成功した。

今後のについては、2016年度の実用化を目指して耐久性評価など実用化へ向けての技術開発を進めるとともに、触媒性能評価用のサンプル提供も開始していく予定だ。

《平泉翔》

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