【ITS世界会議13】スマートループ・アイの“次”が見えた…パイオニア

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『次世代のスマートループ・アイ』は「PROBE DATA UTILIZATION(利用・活用)」として紹介された
  • 『次世代のスマートループ・アイ』は「PROBE DATA UTILIZATION(利用・活用)」として紹介された
  • スマートループ・アイによって車線ごとの車両数を捉えたデモ映像。車線ごとに通過車両数が示されている
  • 規制が入るとその状況もリアルタイムで収集。時系列でも規制が入った後の通過車両がなくなったことがわかる
  • 通過車両数を時系列で見たグラフ。時間ごとに車両数の変化が分かる
  • 現行「スマートループ・アイ」で捉えた「スポットウオッチャー」の画面

パイオニアが「ITS世界会議2013」で出展し、注目されたのが現行サイバーナビに搭載されて話題を呼んだ、「スマートループ・アイ」の能力を拡大活用させる『次世代のスマートループ・アイ』だ。

「スマートループ・アイ」は、車載カメラで捉えた映像をサーバーにアップし、渋滞や事故の発生などその道路状況をいち早く他の利用者へ伝えることができる、いわば“映像版プローブ”だ。今回の提案では、その「スマートループ・アイ」の能力を活かし、どの車線ならスムーズな走行ができるかを情報として提供可能にするというものだ。

たとえば事故などで交通規制があった場合、その情報をカメラで捉えたサイバーナビが映像としてサーバーにアップロード。その情報は瞬時に蓄積処理され、データを集計後ただちに他のサイバーナビユーザーに伝える。これによって、どの車線にいれば最もスムーズに走れるかを利用者は把握できるというわけだ。

デモ映像では、車線ごとに通過できた車両数を集計している状況が示されていた。これだけでもクルマの動きは把握できるが、規制情報を入ると障害情報が赤枠で示されるようになり、車線ごとの通行量差が顕著になっていくのが把握できる。つまり、スマートループ・アイで捉えた映像が車線ごとのデータ収集に役立つことが示されたのだ。

ただ、課題もある。現状では車線ごとに誘導できる地図データが存在しないのだ。そのため、車線誘導するための情報が得られても誘導する術がない。とくに車線での移動となればより高精度な地図データが求められるのは間違いないだろう。さらに、スマートループ・アイを使うユーザー数を増やすことも重要だ。担当者によれば、スマートループ・アイの利用者は現在20万台前後。リアルタイムで情報をアップするには実数としてはまだ不足しているという。

とはいえ、映像を使ったリアルタイムプローブを実現するスマートループ・アイの可能性は限りなく大きく、今後への期待がこれまで以上に膨らんだことは確かだ。

《会田肇》

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