スマートモビリティアジア13では、次世代オートアフタービジネス研究会の設立が発表された。同会設立記念としてNTTドコモ M2Mビジネス部の土橋寿昇氏が講演を行った。土橋氏は、「スマートフォンユーザーの数は今年、フィーチャーフォンユーザーとほぼ同数になりました。ドコモの売り上げ内容の構成比率も変化しています」と現状を紹介。続いてドコモドライブネットの取り組みを解説した。◆ドライブネットの音声認識、国内最高峰のさらに先を目指すドコモドライブネットでは、音声検索「しゃべってコンシェル」の技術を応用し、音声意図解釈機能を2012年12月から提供、運転手のスマホ操作が音声で可能になり、安全支援につなげている。土橋氏は「この機能を拡張していきたい」とさらなるサービス向上を模索している。サービス拡張の方向性として、例えばクルマの調子が悪いことをスマホに話しかけると、近辺の整備工場を案内するなど、相談・提案型のサービスを検討しているという。また、スマホとの対話は現状1往復であるが、複数回の往復、会話が可能になるような技術の高度化を目指している。ドライブネット進化の先は、クルマに人口知能を搭載した状態であり、イメージとしてはナイトライダーだという。「単に“何をしてほしい”ということではなく“クルマに相談ができる世界”を実現したい」(土橋氏)とした。◆パイオニアとの提携で実現することドコモとパイオニアの提携により実現するのは、従来のパイオニア「スマートループサーバ」のみの情報利用から、ドコモのデバイスで収集した情報を「ビッグデータ格納サーバ」に納め、「スマートループサーバ」+「ビッグデータ格納サーバ」によるデータ拡充だ。結果としてユーザーはより精度の高い情報を活用できる。こうしたパイオニア連携のビッグデータを含め、「しゃべってコンシェルサーバ」などを含めたデータ格納を「ドコモITSクラウド」として運用していく。土橋氏は、注目する外部状況としてiOS in the CarやナビゲーションSNSのWaze、走行実績監視型の自動車保険を展開するSnapshotなどを挙げた。自動車保険テレマティクスに関しては、OBD利用の後付けアクセサリーに可能性があるとみている。◆ドコモとオートアフターサービスの未来同社はドライブネットの延長として、ビッグデータの活用と業種の枠を超えた連携を描く。車両情報収集端末により、音声や位置といったデータをサーバに吸い上げ、ビッグデータとして確保。整備事業者や用品販売事業者、保険事業者と、データの共有を図る一方で、情報収集端末やサーバ運用コストも分散するというスキームの構築を検討しているという。ドコモのビッグデータを中心に自動車アフター事業者が連携していく未来は遠くないかもしれない。《スマートモビリティアジア:水素モビリティイベントのお知らせ》スマートモビリティアジア2013@福岡(10/10~10/12)水素モビリティ講演会 10月12日(土)場所:九州大学伊都キャンパス1)燃料電池自動車同乗試乗体験:10:00-13:00本田技研工業:FCXクラリティトヨタ自動車:トヨタFCHV-adv日産自動車:05FCV2)燃料電池講演会:「燃料電池が切り開く新しい未来」:14:25-16:05講演1:九州大学 次世代燃料電池産学連携研究センター主幹教授 センター長 佐々木 一成 氏講演2:トヨタ自動車株式会社 製品企画部製品企画主査 田中 義和氏講演3:株式会社本田技術研究所四輪R&Dセンター第5技術開発室上席研究員 守谷 隆史 氏講演4:日産自動車株式会社企画・先行技術開発本部 FCEV開発推進室室長 坂 幸真 氏パネルディスカッション:16:20-17:00パネラー:上記の各講師モデレーター:レスポンス編集長 三浦 和也