40台が大陸南北縦断
1987年にダーウィン・アデレード間で第1回レースが開催されたソーラー・カー・レースは名称が変わりながらも続けられ、今年も3021kmの公道を利用したレースは23か国から40台が参加してスタートした。
かつては自動車メーカーの車が優勝したこともあるが、現在は大学など研究機関の設計開発がほとんどを占めており、東海大学が2年連続優勝している。また、かつてのゴキブリ形車両は姿を消し、初歩的だった太陽電池や蓄電池、車体材料も25年余を過ぎて大きく進歩しており、航続速度も飛躍的に伸びている。そのため、今年からは実用化に一歩近づいた、オランダ・チーム、アインドホーベンの4人乗りの車両「ステラ」も登場している。
10月6日朝、「ワールド・ソーラー・チャレンジ」レースがダーウィンをスタート、出走車は毎日午前8時から午後5時まで一路南下し、夜明けから出走まで、宿泊地到着から日没までできる限り太陽エネルギーを蓄える。オランダのヌオンと東海大学のトーカイ・チャレンジャーは「チャレンジャー」級で速度を競うが、今年から始まる「クルーザー」級では、「出身国の車両基準を満たすこと」と「最低2人掛けであること」が参加資格になっている。また、出走車は交通法規を守らなければならないが、北部準州では法定速度が設定された他、SA州でもソーラー・カーの速度が法定速度を超えるほどになっている。
オーストラリア国内ではNSW大学とTAFE SAがクルーザー級に参加しているが、第一回の今年は、アインドホーベン・チームの4人乗りが注目されている。また、実用車への方向付けが強まり、チャレンジャー級でも車輪数が4個に定められた。また、出走車はエネルギー損失を抑えるため徹底的な軽量化が図られているが、その結果、車両の構造が弱く、安全性に欠けるおそれもあるため、主催者側では車両の安全構造検査を強化すると発表している。
レース終了予定は10月10日夕刻となっている。(NP)