【日野環境技術説明会】更にクリーンに、省燃費に 大型ディーゼル車の環境対策ロードマップ

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最新の後処理装置であるDPR+尿素SCRシステム
  • 最新の後処理装置であるDPR+尿素SCRシステム
  • 2020年に向けた燃費改善のための主な対応技術
  • 廃熱回収システムによる熱効率向上の検討例
  • 日野自動車 専務取締役 遠藤真氏
今やバス・トラックのディーゼルエンジンにおける排出ガス規制値は、10年前と比べてもNOx(窒素酸化物)で7分の1、PM(黒煙の原因である粒子状物質)については36分の1にまで厳しくなっている。つまり、現在販売されているトラックは、その規制をクリアしているワケだ。

あの「石原都知事ペットボトル会見ショック」で日本の陸送を担っているはずの商用車が悪者扱いされてからというもの、トラックメーカーは必死の対策を施してクリーンなディーゼル車作りを進めてきた。今では排気ガスがわずかでも黒煙となっていれば、思わず凝視してしまうくらい、街を走る大型トラックの排気ガスはキレイになった。

それでもディーゼルエンジンの革新は終わらない。日野自動車の環境技術説明会で同社の専務取締役である遠藤氏は、今後の環境対策に対する考えを語った。

それによれば日本が最初に最も厳しい排ガス規制に突入すると言う。更にNOxをほぼ半減させる次期規制が2016年から、その前年には燃費規制も導入されるのだ。そのための対応策として更なる燃焼効率の向上と様々な損失の低減、そして後処理システムの改良を挙げる。
既にディーゼルエンジンの熱効率は45~6%にまで高められている。それを50%にまでもっていくことで、出力や燃費は10%向上することになる、というのが同社の考えだ。しかし、「言うは易く、行うは難し」とは良く言ったもので、これを実現するのは大変だ。

それでもまだ導入されていない可変バルブシステムや一層の過給による排気量のダウンサイジング、今より1.5倍となる300MPaの超高圧コモンレール、大量に排気ガスを再循環させてリーンバーンを実現する技術、インタークーラーで冷却した空気をもう一度過給する二段過給のターボシステムなどを実用化することで達成していく計画だと言う。更に捨てている排気ガスの熱や冷却による熱損失が大きいことから、これらの廃熱を回収して発電機を回し電力にするなどハイブリッドとの連携を強める方針だ。

一方、燃焼効率を高めることでNOxが増えてしまうことも予想されるため、後処理能力を向上させるために新触媒の開発を進める。具体的には既に導入されている尿素SCRシステムを更に改善して、触媒に使われる金属の変更や尿素の改質を行うそうだ。中型以下のトラックに関してはNOx浄化性能を従来比で50%以上も高める新しい酸化触媒を開発し、軽油の改質と合わせることでクリーンな排気ガスを実現できると言う。

実現すれば、ディーゼルエンジンは長距離輸送の動力源として、これからも主力と成り続けることができる、というのが日野自動車が描く環境対策なのであった。
《高根英幸》

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