本田財団は9月26日、2013年の本田賞として、コンピューターシミュレーションの基礎となる計算力学を創設し発展させた、ティンズリー・オーデン博士(米国)に授与すると発表した。
本田賞は1980年に創設された科学技術分野における日本初の国際賞。人間環境と自然環境を調和させるエコテクノロジーを実現させた功績に対し、毎年1件の表彰を行っている。アメリカのテキサス大学オースティン校計算工学・科学研究所所長と、同校の研究担当副校長であるオーデン博士は本田賞34回目の受賞者となる。
オーデン博士は、数学・コンピューター科学・物理学・応用数学を統合し、科学技術分野での諸問題を解明する「計算力学」を確立した草分け。連続体の非線形現象のコンピューター解析手法を確立し、また、広範かつ強力な数学的計算手法である「有限要素法」のエキスパートとしても知られている。
さらに、コンピューターシミュレーションにおける誤差の数学的評価と体系的な管理手法を確立。今日では科学、医学、そして工学分野に影響を及ぼす学問領域として、計算技術・科学の基礎が築かれ、ものづくりや、防災、薬物設計、医科手術、気候・天候予測などに応用されている。
第34回本田賞授与式は、11月18日に東京・帝国ホテルで開催され、副賞として1000万円がオーデン博士に贈呈される。