JR西日本、阪和線に新しい運行管理システムを導入…折り返し設備の増強なども実施

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鳳駅の配線図。これまで天王寺方への折り返しルートが一つしかなかったが、渡り線や信号機の新増設により3ルートに増強。和歌山方への折り返しルートも新たに3ルート整備する。
  • 鳳駅の配線図。これまで天王寺方への折り返しルートが一つしかなかったが、渡り線や信号機の新増設により3ルートに増強。和歌山方への折り返しルートも新たに3ルート整備する。
  • 阪和線で整備する発車標(左)と運行情報表示装置(左)。列車の遅れ時間の案内を強化する。
  • 2016年度内に高架化される東岸和田駅のデザイン。同駅付近の7カ所の踏切が解消される。
JR西日本はこのほど、天王寺~和歌山間61.3kmを結ぶ阪和線に新しい運行管理システムを導入すると発表した。9月28日から使用を開始する。これに伴い折り返し設備の増強や踏切対策の強化なども行い、輸送障害の削減などを目指す。

阪和線には既に運行管理システムが導入されているが、老朽化が進んでいることから更新することになった。新システムは操作性と応答性が向上し、ダイヤが乱れた際の早期回復が可能となる。また、新たに追加される訓練機能でシミュレーションを行うことにより、指令員の異常時対応能力の向上を図る。

このほか、駅の発車標や自動放送も充実。現在は35駅中16駅に発車標を設置しているが、残る19駅にも整備して阪和線全駅で遅れ時間が表示できるようにする。既に発車標が設置されている駅についても、駅によっては表示できる列車の数が少ないことから、より多くの情報を案内できるタイプに変更していく。また、駅員も列車の遅れ時間を案内できるよう、運行情報を確認できる機器を配備する。

列車の折り返し設備は10月から熊取駅、11月から東貝塚駅、12月から鳳駅で、それぞれ使用を開始する。このうち鳳駅は現在、天王寺方面への折り返し設備が1ルートあるものの十分ではなく、和歌山方面への折り返し設備は存在しない。こうしたことから和歌山方面に2ルートを新たに整備するほか、天王寺方面についても2ルート増強して3ルートとする。

3駅での折り返し設備の増強により、鳳~熊取間で遅れなどの輸送障害が発生した場合でも、鳳駅から天王寺方面へは1時間あたり8本、熊取駅から和歌山方面へは1時間に4本、それぞれ折り返し運転が可能となり、運転再開やダイヤの回復を早くすることができるようになるという。

踏切については2014年4月以降、「長時間鳴動対策」を順次実施する。現在は、列車が駅に到着する前から駅のホームのさらに先にある踏切が鳴り始め、遮断機が降りてそのままになる場所がある。輸送障害が発生して列車を駅に長時間停車させると、その先にある踏切も長時間鳴りっぱなしで遮断され、付近の通行を妨げるといった問題があった。こうしたことから天王寺~日根野間の踏切では、遠隔制御で信号を操作して列車を確実に停止させつつ、遮断機を上げることができるようにする。

なお、東岸和田駅付近では2016年度内の高架化を目指して工事が進められている。これにより踏切自体がなくなることから、事業区間内にある7カ所の踏切のうち4カ所は長時間鳴動対策を実施しない。
《草町義和》

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