ヤナセの運営する正規ディーラー「キャデラック・シボレー大阪中央」、「キャデラック・シボレー神戸東」、「キャデラック・シボレー楠(名古屋市)」がGMのグローバル・コンセプトを導入してリニューアルオープンしたことを記念したプレス向けの会見で、ヤナセグローバルモーターズ代表取締役会長の和田昭生氏がふたつのブランドの最新動向を語った。
ヤナセは1915年からGM車の輸入販売を開始し、以降100年近くにわたって日本におけるGM車の販売をリードしてきた。会長である和田氏も45年に渡ってGM車を扱ってきたという。また、会見が行われた大阪は日本ゼネラルモーターズ(ゼネラルモーターズ・ジャパンの前身)が設立された場所であり、「因縁浅からぬ場所」であるとした。
日本でのマーケットについては、ほかの輸入車と同様に東名阪がもっとも重要であるとして、GMのグローバル・コンセプトを導入した店舗のリニューアルを東京、名古屋、大阪を含む5店舗で実施したことを改めて紹介。販売比率については、首都圏が全体の約40%、関西が約30%、名古屋が約15%であることを明かした。具体的な数字は開示していないものの、大阪と神戸の2店舗を合わせた月販台数は約30台で今後は50台へ引き上げたいという。
今年3月に発売され好調な販売を続けているATSについては、購入ユーザーの半数以上を新規客が占めているという。ベンツやBMWといったドイツ車からの乗り換えや、国産車からの乗り換えが多く、新たなユーザーの掘り起こしに成功しているといえる。また、『ATS』は左ハンドルのみがラインアップされているが、ほかの輸入車では右ハンドルのみがラインアップされるケースが増えているため、左ハンドルであることを理由に購入するユーザーもいるという。
どこか大阪商人(あきんど)の風情も漂わせる和田氏は、ヤナセにとってのGMは老舗パン屋銀座木村屋にとってのあんぱんのようなものだと、独自の言い回しでその重要性を強調。日本でのGM車販売は必ずしも好調でない時期もあったが、店舗のリニューアルを機にキャデラック、シボレー販売を「リボーン」すると宣言。「ヤナセはこれからも創業以来の商品を売り続けていく」と力強く語った。