【INDYCAR 第15戦】名門チーム間の“激突”を経てパワー今季初優勝…琢磨ツキなし23位

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ソノマ戦の優勝はウィル・パワー。写真:IndyCar
  • ソノマ戦の優勝はウィル・パワー。写真:IndyCar
  • 1年4カ月ぶりという久々の優勝が、ちょっと“いわくつき”になってしまったパワー。写真:IndyCar
  • チャンピオンを争うディクソンにとっては手痛いレースとなった。写真:IndyCar
  • 佐藤琢磨はツキのない展開に終始。写真:Honda
  • 序盤の走りはなかなか好調そうだった佐藤琢磨。写真:Honda
  • ポール発進のフランキッティ(写真先頭)は決勝3位。写真:Honda
  • ソノマ戦のポディウム。左から2位ウィルソン、優勝パワー、3位フランキッティ。写真:Honda
  • 決勝2位に入ったジャスティン・ウィルソンの走り。写真:Honda

インディカー・シリーズ第15戦決勝がカリフォルニア州のソノマ・レースウェイで開催され(現地25日)、ウィル・パワーが今季初優勝を飾った。佐藤琢磨は不運な接触によって大きく後退、最終結果は23位だった。

レース前半、接触等のアクシデントによるフルコースイエロー(全車スロー走行)が相次いだソノマ戦も、後半は落ち着いた展開となったかに思われたが、まさかのドラマがピットレーンに待っていた。終盤、久々のフルコースイエロー発生に際し、トップを争うスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)とパワー(#12 Team Penske/シボレー)が僅差の状態で最終ピットストップへ。彼らのピットは並んでいるのだが、なんとディクソンの発進時に彼のマシンの左リヤタイヤが、パワーのメカニックが持っていた使い終わりのタイヤと接触してしまったのだ。

タイヤを持っていたメカは跳ね飛ばされ、さらに別のメカにぶつかる。パワーのマシンには影響なかったものの、マシンが去った直後のピットは混乱した。このアクシデントによってディクソンにペナルティが科せられ、彼はこのレース15位に終わることとなるのだが、映像を見る限り、一概にディクソン(ガナッシ陣営)に非があるとも言い難い印象が残った。

インディカーに限らず、メカニックが“なるべくライバルの邪魔になるように”動くのはレースの常道だ。ただ、今回のパワーのメカ(ペンスキー陣営)の動きには露骨すぎる雰囲気もあった。また、現在チャンピオンを争っているのがパワーの同僚エリオ・カストロネベス(#3)とディクソンということもあるし、そもそもペンスキー対ガナッシといえば、F1に喩えるならマクラーレン対フェラーリのような名門バトル。そういったことも含め、今後に遺恨を残さないともいえない“激突アクシデント”であった(大きなケガを負った人はいない模様)。

優勝はパワーで、昨年第2~4戦の3連勝以来となる今季初優勝。1年4カ月ぶりの嬉しい勝利のはずだが、状況が状況だけにゴール後の喜び方はどこか控えめに見えた。2位はジャスティン・ウィルソン(#19 Dale Coyne Racing/ホンダ)、3位はディクソンの僚友ダリオ・フランキッティ(#10)だった。

カストロネベスは7位。ディクソン優勝ならチャンピオン争いは両者ほぼ並走といえる状況になる可能性もあったが、カストロネベスは結果的にディクソン(15位)との差を開くことに成功し、残り4戦で39点差とした。

佐藤琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)は13番手スタートから徐々にポジションを上げていった。しかし、リスタート相次ぐ展開のなかで前方の接触事故のとばっちりをもらうようなかたちでマシンにダメージを受け、長時間ピットイン。大幅周回遅れとなって復帰後も、最後の土壇場で再度のもらい事故と、とことんツキのないレースだった(25台中23位)。「セッティングも良かったようで、周りを走っていたライバル勢と同じペースで戦うことができていたんだけど……。次は得意とするボルチモア戦。気持ちをきっちりと切り替え、絶対に勝つという意気込みでレースに臨みたい」と、次戦巻き返しを見据えていた。

インディカー・シリーズ第16戦は次週、9月1日が決勝。舞台はボルチモア市街地コースだ。

《遠藤俊幸》

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