豪に向かうヨット、バヌアツで検挙
8月22日、バヌアツで、オーストラリアに向かっていたヨットから3億7千万ドル相当のコカインが押収されたことが報道されている。
豪連邦警察(AFP)、税関局、米麻薬取締局(DEA)、南太平洋関係当局がバヌアツのポート・ビラに停泊していたヨットの家宅捜索令状を執行した。まだ逮捕者は出ていないが、ヨットからは各所に隠されたコカイン750kgが押収され、オーストラリア、アメリカ、南米、太平洋各地で活動しているドラッグ・シンジケートの犯行と見られている。
750kgのコカインを一挙に押収するというのは、オーストラリア当局参加の麻薬シンジケート壊滅作戦で最大規模。AFPのラムジ・ジャボー副長官は、「犯行シンジケートは、2011年にも今回と似たコカイン押収を受けている。今後裁判が始まるのでこれ以上詳しいことは明らかにできない。まだ逮捕者は出ていないが捜査を続けているところなので今後さらに進展することが考えられる」と発表した。
税関局スポークスウーマンは、「コカインは下部エンジン室の壁を石とコンクリートで固めた背後や竜骨回りに隠してあった。複数の取締当局者がノミでコンクリートを削り、さらに石を取り除いてようやく隠してあったコカインを押収するという手の込んだ隠し方で、きわめて組織化された犯行だ」と発表している。
このヨット「Raj」は家宅捜索が行われた時は売りに出されていた。もし、このヨットがオーストラリアに上陸していれば市場で75万包分になる。ジャボー副長官は、「国際ドラッグ・シンジケートはオーストラリアをうまみのある市場と見ている。今後も各国当局と協力し、絶対に薬物をオーストラリアに入れないよう努力する」と述べている。また、USDEAのデビッド・カリ氏は、「関係各国の合同作戦は南太平洋での活動を狙っている組織犯罪に強力なメッセージを送ることができる」と発表している。(NP)