格付け会社のフィッチ・レーティングスは、マレーシアの長期格付けが中期的にどの方向に動きそうかを示すアウトルックについて、「安定的」から、下方に向かう可能性を示す「ネガティブ」に引き下げた。
長期外貨建債券の格付けはAマイナス、同現地通貨建債券の格付けはAを維持した。
フィッチは、総選挙が与党の圧勝ではなく、財政改革の見通しが悪化したためアウトルックを引き下げたと説明した。フィッチは政府財政がマレーシアの弱点と見ている。政府債務は対国内総生産(GDP)
比で、2008年が39.8%、11年が51.6%、12年が53.3%と拡大しており、フィッチの計算によると、予算赤字はGDP比で11年の3.8%に対し、12年は4.7%。
政府は15年までに予算赤字を同3%に縮小する計画だが、達成は困難とフィッチは見ている。
ただ政府債務の97%は現地通貨建で、償還で懸念は生じないという。