国土交通省は、ボーイング787型機の固定式航空機用救命無線機(ELT)について点検・取り外しを指示する耐空性改善通報を発行したと発表した。
7月12日(英国時間)、エチオピア航空のボーイング787型機が、ロンドン・ヒースロー空港で駐機中、胴体後方の上部が熱損傷する事案が発生した。
事故を調査している英国の事故調査当局は7月18日(英国時間)、ハネウェル(カナダ)製の固定型のELTに内蔵されたリチウムマンガン電池に損傷を確認したと公表し、米国連邦航空局(FAA)に対し、安全勧告を行った。
これを受けてFAAは、米国の運航者に対し、ボーイング787型機の固定式ELTについて、点検または取り外しどちらかの措置を求める耐空性改善命令(AD)を発行した。
国交省としても、787型機の運航者に対し、同様の内容を指示する耐空性改善通報を発行したもの。
また、ハネウェル製の固定式のELTを搭載した他型式の航空機についても、運航者に対し、自主的な点検の実施を検討するよう指示した。
一方、日本国内では、航空法の規定により、国内空域を運航する国内外の航空会社に対し、固定式のELTの搭載を義務付けている。国交省では、今回の勧告を受け、運航者が固定式ELTを取り外しができるよう、搭載義務付けを除外するための告示改正を実施した。