日本郵船、石炭船「SOYO」がシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞

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  • 写真左からMTIの五十嵐誠社長、日本郵船の洲之内満彦技術ループ長、大島造船所の岩下達郎取締役・設計部長、日本船舶海洋工学会の横田健二副会長

日本郵船は、所有する石炭船「SOYO(双洋)」が、日本船舶海洋工学会が選ぶ「シップ・オブ・ザ・イヤー2012」を受賞したと発表した。

シップ・オブ・ザ・イヤーは、1990年から毎年、日本で建造された船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船が選考されるもので、今回が23回目。

同社グループは、1990年の客船「クリスタル・ハーモニー」(現在の飛鳥II)に続いて、今回2回目のシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

SOYOには、主機掃気バイパスを利用した空気潤滑システムを世界で初めて実船に搭載した。二酸化炭素(CO2)削減効果を実証した取り組みが高く評価され、今回の受賞につながった。

主機掃気バイパスによる空気潤滑システムとは、主機の過給機から掃気(燃焼用空気)の一部を抜き出して船底に導き、船体と海水の摩擦抵抗を低減させCO2削減効果を得るもので、喫水の深い大型船舶でもCO2削減効果が得られるシステムとして、今後多くの船舶への適用拡大が見込まれている。

同社グループは、空気潤滑システム積極的に展開しており、SOYOに先立って世界で初めて恒久的運用に成功したブロア(送風機)式空気潤滑システムを2010年に、グループ会社の日之出郵船が所有するモジュール船2隻に搭載した。今後は、新たに建造する自動車専用船への搭載も予定している。

SOYOに搭載されている主機掃気バイパスによる空気潤滑システムは、海上技術安全研究所が協力し、日本郵船、グループの会社MTI、大島造船所が共同開発したもの。

日本郵船グループは、他の商船にもシステムの搭載を進めていくことで、地球温暖化の抑制に向けて積極的に取り組んでいく方針。

《レスポンス編集部》

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