JR東日本ステーションリテイリングと東日本鉄道文化財団は7月19日、中央線神田~御茶ノ水間の万世橋高架橋(万世橋駅)に建設中の新しい商業施設について、名称を「mAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋」に決めたと発表した。9月14日にオープンする。
マーチエキュートは、JR東日本のエキナカ商業施設ブランド「ecute(エキュート)」の新しい展開ブランド。「『まちとのコトづくり』をテーマに、周辺地域と一体となって開発を行い、街の活性化の一翼を担う」という意味を込めたとしている。マーケティングマネジャーの川島蓉子さんが全体を統括し、アートディレクターの佐野研二郎さんがロゴマークを、コピーライターの李和淑さんがブランドネーミングをそれぞれ考案した。
万世橋駅は明治末期の1912年に開業。1936年には旧・鉄道博物館(後の交通博物館)も、この地に移転した。万世橋駅は利用者の減少から1943年に休止し、その後は交通博物館の施設として使用されていたが、同館が現在の鉄道博物館(埼玉県さいたま市大宮区)に移転する形で2006年に閉館したことから、レンガ積みの高架橋と万世橋駅の遺構を活用した施設の整備が進められてきた。
高架下の1階部分は、レンガ積みアーチのへこんだ部分に商業施設を整備。南西側には万世橋駅の初代駅舎と2代目駅舎、交通博物館の建物を支え続けた基礎を保存した「遺構サークル」も設けられる。また、神田川沿いの北側には親水デッキが設置される。
ホームの遺構が残る2階部分は、ガラス張りの展望テラスを設置。ホームの御茶ノ水方にはカフェが設けられる。1階と2階をつなぐ階段は、1912年の万世橋駅開業時に建設された階段(1912階段)と、旧・鉄道博物館の整備に伴い1935年に設置された階段(1935階段)の遺構を活用する。1935階段は2006年に期間限定で公開されたことはあるが、1912階段は万世橋駅の休止以来、70年ぶりの公開となる。
7月22日から8月18日までは、プレオープンイベントとして「神田麦酒祭り『ビアアーチ』」が開催される予定。