日立造船は、ナガオカとの中国合弁会社である那賀日造設備(大連)が、石油精製・化学合成専用の内部構造物、取水装置などの水処理装置を製造する工場が竣工したと発表した。
現在、中国では人口増加や高度経済成長に伴う生活水準の向上により、化学プラントや肥料プラントへの設備投資が活発になっている。各種プラント建設に伴って、日立造船やナガオカの主要製品の一つであるプロセス機器の需要拡大が見込まれることから、那賀日造の大連工場の建設により、巨大な市場中国に参入する。
また、日立造船とナガオカは共同で中国での水事業展開に取り組んでいるが、現地に生産拠点を設けることで、現地の要望を素早く取り込み、取水装置などの水処理装置の拡販を図る。
プロセス機器分野では、シェールガス関連の化学プラントや、食料増産のための肥料プラントなどに使用される圧力容器、熱交換器市場が、中国に加え、米国、インドでも伸びが見込まれる。
日立造船は、有明工場(熊本県玉名郡長洲町)のほか、石油精製用などのプロセス機器事業を手がけるインド大手のISGECヘビー・エンジニアリングとの合弁会社でも、プロセス機器を製造している。今後、プロセス機器事業の拡大を図る方針だ。