JR北海道は6月12日、函館本線のいわゆる「山線」(長万部~倶知安~札幌間)を走る臨時特急「ワッカ」「ヌプリ」を運転すると発表した。運転期間は8月10~25日の16日間。
北海道の函館市と札幌市を結ぶ鉄道ルートは、内浦湾や太平洋沿いを通る苫小牧経由の室蘭本線~千歳線ルート(海線)と、羊蹄山やニセコアンヌプリなどの山岳地帯を通る倶知安経由の函館本線ルート(山線)の二つがある。現在は、速度向上の障害となる急勾配や急カーブが少なく沿線人口も多い海線が主要ルートとなっており、山線は普通列車のみの運転となっている。
その一方、北海道新幹線新青森~新函館(仮称)間の開業が2015年度に予定されていることから、JR北海道は新幹線の開業を見据えた観光開発を推進することにし、山線を新たな観光ルートと位置づけて臨時特急を運転することにした。
アイヌ語で「水」を意味する「ワッカ」は、札幌~長万部間を1往復する。運転時刻は往路が札幌発6時57分~倶知安発8時59分~ニセコ発9時13分~長万部着10時20分、復路が長万部発14時8分~ニセコ発15時29分~倶知安発16時18分~札幌着18時27分。
これに対し、アイヌ語で「山」を意味する「ヌプリ」は函館~小樽間の運転。往路が函館発8時12分~長万部発10時21分~倶知安発11時54分~小樽着13時8分、復路が小樽発14時30分~倶知安発15時46分~長万部発17時19分~函館着18時58分となる。「ワッカ」「ヌプリ」ともに4両編成で運転する。
車内にはニセコの四季をイメージしたデザインの記念撮影用シートを各車両に1カ所設ける。また、「ワッカ」「ヌプリ」の発着に合わせてニセコ駅と周辺の観光地などを結ぶJR利用者専用バス「ツインクルバス神仙沼号」「ツインクルバスアンヌプリ号」を運転する。