メルセデスベンツの『Eクラス』がビッグマイナーチェンジを行った。2000か所におよぶ改良を加えた車両は、相変わらずのすごさであった。
試乗車はもっともベーシックなエンジンである2リットルターボの4気筒を積むE250。グレードは下から2番目のアバンギャルドで、フロントのエンブレムがグリルセンターに装着されるほか、AMGのエアロパーツなどが装着されスポーティな出で立ちとなっている。
211馬力を発生する2リットルターボエンジンは、フラットなトルク特性でゆったりとしつつ力強いフィーリングを持っている。勾配のきつい箱根ターンパイクをいいペースで走らせてもエンジンにはまだ余裕があり、安心していられる。
ハンドリングは素直そのもの。直進時の中立感もしっかりとしていて、楽々とペースアップができる。気持ちよく快適なコンフォート性を持ちつつも、ドライバーの存在を無視しない味付けはEクラスという立ち位置をしっかりと見据えた設定といえるだろう。
搭載された安全装置の出来のよさは秀逸。道路上の車線も読み取るクルーズコントロールのディストロニックは、有料道路上ではステアリング操作をすることなくクルージングが可能であった。これから先にあるであろう自動運転の夜明けを感じさせてくれた。
各種の装備が満載されたE250アバンギャルドの価格は655万円。一般庶民が簡単に手を出すタイプのクルマではないが、その内容と価格のバランスは決してかけ離れてはいない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。