インディカー・シリーズ第5戦、第97回インディ500の「ポールデイ」が18日に行なわれ、ホンダ勢は最高グリッドが11位と苦戦したが、佐藤琢磨やホンダの現地首脳は決勝に向けての巻き返しに、充分な手応えを感じている。
「予選の前に雨が降ったために、通常であれば有利なはずの若い順番(3番目)でのアタックが、路面のグリップが低い不利な状況となってしまった」と残念がる琢磨。天候による不運とあっては18位という結果もやむを得ないところだが、「自分が置かれた条件のなかで、できることにはすべてトライした。マシンに合わせた走りはできていたと思う」と、ドライビングの感触はわるくなさそうである。
そして一週間後の決勝では、昨年あと一歩のところまで迫ったインディ500優勝という快挙に挑むわけだが、「決勝に向けたマシン作りには手応えを感じている。トラフィック(集団走行)でのハンドリングをさらに良くして、決勝レースに臨みたい」。マシンの仕上がりに関しても好感触な様子だ。リベンジ達成に、大いなる期待がかかる。
24位までのグリッドが決まったこの日。天候による影響もあったため、シボレー勢がトップ10独占という結果ではあるが、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)のテクニカルディレクター、ロジャー・グリフィスも「悔しい結果」と言いつつ、悲観してはいない。「昨年も予選では似たような状況だったが、決勝ではホンダエンジン搭載車(ダリオ・フランキッティ)が優勝した。これからの一週間でどこまでエンジン性能を上げることができるか、そこが勝負だと思う」。500マイル、約800kmの長距離戦であり、予選結果がそれほど大きくは影響しない面もあるインディ500。しかも、およそ半月の会期で、予選~決勝間も約一週間という長期戦でもあるだけに、巻き返しは可能なのだ。
インディ500のグリッドでは1列に3台が並ぶが、6列目は“ホンダ超豪華布陣”。16位スコット・ディクソン(#9)、17位フランキッティ(#10)と、ホンダ勢トップチームであるChip Ganassi Racingが誇る強力2枚看板が並び、そこに現在ポイントリーダーの琢磨(#14 A.J.Foyt Racing)が加わった。序盤の混戦を抜け出せば、この6列目トリオが戦いの主導権を早々に握る展開もあり得るだろう。
なお、ポールポジションを獲得したのはシボレー勢のエド・カーペンター(#20 Ed Carpenter Racing)。ホンダ勢の予選最上位は11位のアレックス・タグリアーニ(#98 Barracuda Racing/Bryan Herta)だった。
第97回インディ500は19日のバンプデイで25~33位までのグリッドが決定。決勝は26日、同じく世界3大レースと評されるF1モナコGPと同日に開催される。