5日に投開票が行われた第13回総選挙で、マハティール・モハマド元首相の影響力の低下があらわとなった。
マハティール氏は選挙キャンペーンで、与党連合・国民戦線(BN)候補者のうち、同氏と理念を共有するズルキフリ・ノルディン氏やイブラヒム・アリ氏の支援を表明したが、両氏とも落選した。ケダ州ではBNが政権を奪還し、マハティール氏の息子であるムクリズ・マハティール氏が州首相に就任したが、政治家や政界オブザーバーからは、BNに対する信頼ではなく、野党連合・人民同盟(PR)の政権運営の悪さがBNに票が流れた要因とする見方が強い。汎マレーシア・イスラム党(PAS)にうんざりした有権者が多かったのがBNの勝因だという。
多くのアナリストやBN所属の政治家は、マハティール氏はマレー人からの支持は得ているが、マレー人以外の人種からの支持はそれほどないとみている。また、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)内部からは同氏の時代は終わったとの考えも多く、マハティール氏の言動などは都市部の青年層を牽引するだけの魅力はないと意見も出ている。