ANA2013~2015年度グループ中期経営戦略を策定、国際線ネットワークを戦略的拡大

航空 企業動向
2013~2015年度ANAグループ中期経営戦略
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ANAホールディングスは、「2013~2015年度ANAグループ中期経営戦略」を策定した。

航空業界は、首都圏空港容量拡大に加え、航空自由化、規制緩和、市場開放など、大きな変革期を迎えている。既存の日系エアラインやアジア・欧米・中東の大手エアライン、本格参入を果たすLCCとの競争激化、新幹線の延伸などによる他交通機関との競争も予想される。

こうした経営環境変化の中で、ANAグループでは、経営基盤を強化しながら、首都圏空港容量の拡大を最大限活用した路線展開によって、日本をベースとした航空ビジネスの完成型構築を目指す。加えて、新たな成長領域拡大に向け、アジアへの戦略的投資などによる航空附帯ビジネスを中心とした多角化戦略に取り組み、収益を拡大することで新たに掲げたグループ経営ビジョン「世界のリーディングエアライングループ」の実現を目指す。

成長領域の拡大では、マルチブランド戦略の推進を通じて「ANAブランド」「航空ビジネス」など、既存の事業にとどまらない事業ポートフォリオを構築し、グループ収益の最大化を目指す。

国際線旅客事業では、首都圏空港発着枠を最大限活用することにより、国際線ネットワークを戦略的に拡大、従来までの日系ビジネス需要に加え、非日系の訪日と三国間(乗り継ぎ)需要を獲得することで事業モデルを進化させ、収益規模拡大を目指す。

国内線旅客事業では、競合との差別化を推進し、グループ全体の基盤事業として収益性を堅持する。

LCC事業では「認知度向上」「アジアマーケットの需要取り込み」「低コスト運航体制の追求」などを通じて、ANAブランドとは異なる領域での新規需要を獲得し、新たな収益事業モデルを構築する。

貨物事業では、フレイター事業の早期黒字化に向け、フレイターの増機・旅客便活用・他社便活用によって貨物便ネットワークを拡充する。機材稼動率向上による運航コストの低減と輸送品質向上による差別化を推進する。

航空附帯ビジネスを中心とした多角化事業では、ANAグループ各社が持つ事業特性やノウハウを最大限活用しながら、グループ外からの収入拡大を目指す。

戦略的投資では、昨年の公募増資で得た資金を活用して、海外への投資、特に高い経済成長が見込まれるアジアへ戦略投資を実行に移し、成長領域の拡大を目指す。

今後の投資案件の実行を加速させるため、6月にもシンガポールに投資管理会社を設立する。ANAグループの航空ビジネスとのシナジー効果に加えて、アジアの成長をANAグループの成長として取り込むため、アジアを中心とした航空ビジネスへ積極投資する。

ANAグループのナレッジ、人財を活用し、すでに参画している乗員訓練事業に続いて、整備受託事業などの航空附帯ビジネスに参画し、新たな収益領域の拡大を目指す。

また、経営基盤の強化では、効率化促進の視点として、グループ各社に共通する業務については、シェアード機能として集約する。中期的には「グループ独自の業務」と「一般企業でも行われている業務」に整理し、アウトソーシングも含めた効率化を検討する。

コスト構造改革として進めている2014年度までの1000億円相当のコスト削減では、全グループ従業員の努力により、着実に成果を積み上げており、最終目標達成に向けて継続して取り組む。従来までの部署・部門という単位でのコスト削減活動に加えて、事業構造などのグループ横断的な課題についても持株会社制移行を機に取り組む。グローバルレベルでの生存競争に勝ち残るため、中長期的な効果が見込まれる年金制度改革も実行する。

2013年度の経営目標は連結営業利益1100億円、連結営業利益率6.8%、中期的には連結営業利益1500億円以上、連結営業利益率10%以上を目指す。

《レスポンス編集部》

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