三井造船は、海運市況が低迷していることに伴う造船事業の固定資産を減損処理し、2013年3月期に特別損失236億7300万円を計上すると発表した。
新造船の大量竣工による船腹需給ギャップの拡大で海運市況は低迷が長引いている。新造船の価格は大幅下落しており、好採算船の受注残が底をつく一方、船腹需給ギャップが改善され、船価が回復するまでには時間がかかる見通し。
将来の損益見込みが悪化し、減損は避けられないため、造船事業にかかる固定資産について、将来キャッシュ・フローに基づく回収可能性を検討した結果、固定資産について減損処理することにした。
減損処理する固定資産には、土地の再評価に関する法律に基づいて再評価を行った土地が含まれており、再評価された91億0900万円は会計上減損損失額に含むが、利益剰余金の減少には影響を及ぼさない。
一方、同社は特別損失計上などに伴う業績見通しも修正した。
売上高は前回予想より130億円マイナスの5770億円となる見込み。エンジニアリング事業が計画より遅れているため。
収益は比較的採算の良い案件が計上されたのに加え、円安効果による為替差益もあって営業利益は前回予想より40億円増の240億円、経常利益は70億円増の260億円となる見込み。
当期損益は、特別損失の計上で前回90億円の黒字を予想していたが83億円の赤字となる。