自工会「小型・軽トラ市場動向調査」、新車購入者の3割がエコカー減税・補助金がきっかけ

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日本自動車工業会は、2012年度に実施した「小型・軽トラック市場動向調査」の結果をまとめた。

調査は、小型・軽トラックユーザーの保有・購入・使用実態などを時系列的に捉え市場構造の変化を把握するため、アンケートを隔年で実施しているもの。今回は市場構造(保有・購入実態)の変化、車の持ち方の変化と使用実態、今後の保有・購入意向、環境に対する意識・対応と次世代環境車への意識、農家でのトラック・バン需要の変化を調べた。

それによると経営状況の実態と今後の見通しでは、欧州における財政危機などの影響による世界的な景気減速と、円高・デフレ等をうけた国内経済停滞の中で、依然、企業の経営状況は厳しい状況が継続している。今後の景気や経営状況、物資輸送量の見通しについても、全体としては厳しい見方をする事業所数は増加しているが、運輸業では、悪化すると考える事業所は減少傾向にある。

保有・需要構造の変化では、小型・軽トラックの保有台数の減少傾向、代替期間の遅延化は継続している。業種別の車種構成に変化はみられない。販売台数はエコカー減税・補助金の効果で、2012年は増加した。新車購入者の3割が「減税・補助金が購入のきっかけ」になったと回答した。

同クラス・同車型代替が中心という需要構造の傾向に大きな変化はないが、小型から軽へのダウンサイズが増加傾向にある。

保有状況の変化では、トラック・バンの保有台数が「減少」した事業所の比率が「増加」の比率を上回る。特に運輸業での「減少」比率が高い。保有台数減少の要因は、輸送量・従業員数の減少と経費の節約。燃料価格上昇、円高、震災といった社会環境変化が台数減少の背景として影響を及ぼしている一方で、台数増加では営業活動のためという理由が多い。

事業所当たりの保有車種の変化をみると、運輸業では軽から小型トラック増加の動きがみられるも、全体としてはダウンサイジングの傾向にある。

台数減の事業所は、経営状況が悪化している傾向が強い。輸送量や荷物の嵩の低下も台数減と密接に関係している。

ただ、保有車の稼働率は前回より上昇している。その背景に、保有車減などコストの節約や、自社輸送と外部委託の併用などの合理化促進があると見られる。

次期買い替え意向車は、同車型・同クラスの歩留まり意向率が高い傾向に変化はない。その中で、小型キャブバン・小型ボンバンユーザーは、比率はダウンサイズの意向が他車種ユーザーに比べると多い。

今後の保有車の変化見通しでは、小型/軽の割合は変化無しが大半。軽比率増加意向の比率が小型増加意向を上回った。

今の車型を別の車型に買い替えた場合、許容できるかという視点で、その車型の潜在需要を推察すると、他車型保有ユーザーの小型・軽のキャブバンに対する許容度が相対的に高い。

環境問題に対する意識では、関心度に変化はないが、環境対策費用に対する負担感は増している。具体的な環境対策については、前回調査と変わらず高い水準で実施している。

ハイブリッドカー・電気自動車に対する意識は、環境性・社会性といったイメージについてはややトーンダウンし、「燃料価格変動の影響を受けにくい」という実用面が強まっている。「車両価格が高い」などの懸念点については薄れつつある。

農家では、経営状況は変化無しとする農家が75%を占める中、専業農家や64歳以下農家、小型トラック保有農家では、良くなっているという比率が相対的に高く、今後の経営拡大を予定している比率も、それ以外の農家より高い。

保有、買い替え意向車とも「軽トラック」中心である傾向は変わらず、保有台数についても変化はほとんどない。

《レスポンス編集部》

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